Malaysiaの首都Kuala Lumpurから行ける最も身近な浜辺「Port Dickson」の観光コースを紹介します.
実際に私は車でPort Dicksonまで片道1時間半の日帰り旅行をしてきましたが,日本でいえば東京から湘南にお出かけするような手軽さです.
ジャングル続きのMalays半島内陸部とは違った海辺の側面を観光することができました.
- 休日は混んでいるビーチ
- 迫力ある軍事機がみられる軍事博物館
- 採掘が盛んだった時代に関する博物館
- 丘を登ってようやく到達する白牙のような灯台
Port Dicksonを訪れる際は,一つの場所から次の場所まで歩けないくらい離れているので車(レンタカー)がおすすめです.
本記事は次のような疑問に答えるように書きました.
Malaysiaの観光に関する疑問
- Kuala Lumpurから手軽に行けるビーチはどこですか?
- Port Dicksonの海は綺麗でしょうか?
- Port Dicksonの観光名所はどこ?
Malaysiaの首都に住む人からするとPort Dicksonは,東京の人にとっての湘南とも言える場所です.
長期旅行でMalaysiaに訪れる人はもちろんのこと,Malaysia在住の方にもPort Dicksonの魅力を知っていただければと思います.
本記事は次の方におすすめです.
こんな方におすすめ
- Malaysiaに長期滞在の予定がある方
- Malaysiaに在住の方
私はMalaysiaの現地会社で駐在員として働いています.仲の良い同僚の一人がPort Dickson出身ということもあり,Port Dicksonに車で週末旅行をしてきました.
ビーチはもとよりも,博物館や灯台の観光が面白くて楽しい休日を過ごすことができました.
この記事では,Kuala Lumpurから週末に気軽に訪れることができるPort Dicksonの魅力と訪れる場所を紹介ました.
本記事のポイント
- Kuala LumpurからPort Dicksonまで車で片道1位時間半ほど
- ビーチだけではなく,歴史博物館・軍事博物館が見どころ満載
- 岬の先にある灯台は絶景間違いなし,歩きやすい格好の準備必要
この記事を読み終える頃には,Port Dicksonの見どころがわかり旅行計画のお役に立てると思います.
ポートディクソンはどんな場所?
「Port Dickson」はMalay半島の西海岸沿いに位置する都市で,首都Kuala Lumpurからは約100km(車で1時間半)離れています.
Malaysiaでは「Port Dickson」の地名は頭文字をとって「PD」と呼ばれることが多いです.
Port Dicksonは文字通りに訳すと「Dickson港」となりますが,元々は19世紀にMalaysiaを含む海峡の植民地統轄に任命されていた英国の高官「John Frederick Dickson」に由来します.
地名に「港」が入っていることもあり,Port Dicksonには海外からの移民が流入してきた歴史があります.
日本の湘南のようなビーチ
Port Dicksonは首都に近いビーチとして有名ですが,Malaysiaで駐在員をしている私からすると日本における湘南に近い印象を受けます.良くも悪くも大衆化された浜辺です.
Port Dicksonの海水はMalay半島東海岸や東Malaysia(Borneo島)ほどは綺麗ではないので,正直泳ぎたいとは思いませんでした.
ビーチというと開放的なビキニを身につけた女性が白い浜辺に横たわっている印象がありますが.ここPort Dicksonのビーチには指の間をすり抜けるような細かい砂でできた浜辺もなく,日光浴を楽しむビキニ姿の女性もいません.
綺麗な海水を求めている方には次の記事がおすすめです.
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海水浴を楽しむというよりはビーチを散歩したり,本記事で紹介する博物館を訪れたりドライブを楽しむ観光がおすすめです.
短期旅行には不向きな場所
Port DicksonはKuala Lumpurから片道1時間半ほどの距離なので比較的訪れやすいことは事実なのですが,日帰り旅行で1日かかります.
Malaysiaで2,3日で訪れる方には,Port Dicksonの優先度はあまり高くないです.
Port Dicksonで滞在するホテル
Port DicksonはMalaysia首都から遠くありません.
日本からMalaysiaに旅行で来られてKuala Lumpurを中心に活動される方は,Kuala Lumpurにhotelを確保された方が良いと思います.
Port Dicksonでおすすめのhotelは海上コテージで有名な「Avillion Port Dickson」です.
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ポートディクソンの日帰りモデル・コース
Malaysiaの首都Kuala Lumpurを出発してPort Dicksonに遊びに行く日帰りのドライブ・コースを紹介します.
モデル・コース
日帰り旅行例
9:30
Kuala Lumpur市内のホテルを出発
11:00-11:30
Kota Lukut博物館見学
12:00-13:00
Port Dicksonでお昼ご飯
13:30-14:30
Army Museum Port Dicksonを見学
14:45-15:30
Pantai Cahayaのビーチ散策
16:00-16:15
Wan Loong寺院を見学
16:45-17:15
Pantai Tanjung Biruのビーチ散策
16:30-18:00
Cape Rachado灯台までの散策,見学
Kota Lukut博物館
Kuala Lumpurから南西にあるPort Dicksonに向かう途中にある街がNegeri Sembilan州の街「Lukut」です.
街としては決して多くなく,小高い丘から一帯を見渡せるほどの規模です.
私がLukutに立ち寄ったのは,Port Dicksonに立ち寄る道中に位置しており,1999年に開業した歴史博物館があるからでした.
車を運転してLukutの住宅街を走っているときは,「Kota Lukut博物館が本当にここにあるの?」と半信半疑になるほど質素な街でした.
博物館入り口に辿り着いた時も,歳をとった警備員の人が重い腰を上げて駐車場を教えてくれました.
駐車場に車を停めて博物館を目指して丘を登ると,丘の上にはかつての大砲が展示されています.
現在は物静かな街ですが歴史上,鉱山開発で中国大陸から大量の移民が押しかけてきます.
博物館の入り口近くには,中国の伝統で端午の節句に使う「Dragon Boat」が飾られています.
1918年,Lukutの人口は1000名ほどだったようですが,なんとその内20%は中国大陸の移民だったそうです.移民の労働力もあり,当地での錫の採掘量は大きく改善します.
採掘された錫は,缶詰食品の用途に欧州向けに輸出されました.
中国人採掘者たちの生活は決して楽ではなく,採掘した錫に課せられた高税に苦しみます.1834年に,中国移民者たちは現地を支配していた王子と家族を殺害します.
当時使われていた食器の遺物を眺めていると,中国大陸から渡済んできた人たちの生活がどんなものだったか想像を巡らせてしまいます.
Lukut 博物館
営業時間 9:00 - 17:00(毎月第一月曜は休館)
入場料 無料
住所 Lukut Museum Jabatan Muzium Malaysia (Wilayah Selatan) Lot 730, Kota Lukut, 71010 Port Dickson, Negeri Sembilan Darul Khusus
Army Museum Port Dickson
「Kota Lukut博物館」を後にして,海に向かって南西に走り,海岸の街に突き当たったところで経路を南西に変更します.
海岸を走りながら時々車を停めて,Port Dicksoの海岸を眺めました.
海水浴場「Pantai Cahaya」前の交差点を左折して坂を登ると「Army Museum Port Dickson」があります.
私は戦闘機の区別がつかないくらい軍の装備にあまり興味がありませんが,この軍事博物館は実機に近い展示物が多数あり身近に軍事装備を見れて面白かったです.
砲撃機が無造作に敷地内に置かれていて,実際に乗り込んで操縦桿をに触ることができます.
軍事が好きな方には渇望の展示なのだと思います.
私は軍事に詳しくないので分からないですが,後に集合住宅がある平和な光景の中に戦車などの破壊装置が置かれている対比が印象的でした.
日本だったら「軍事化」に反対する人たちに囲まれそうです.
蒸気機関車の展示もありました.
少年が車輪の上に乗っていたり自由な感じがMalaysiaらしいです.
建物の中には戦時中の鉄砲が飾られていて,対日本軍に使用された火薬もあり複雑な思いとなります.
Malaysiaの前身となる「Malaya連邦」の時の戦時ポスターがあり生き生きと当時の様子が伝わります.
博物館は当時の戦争を肯定するわけでも否定するわけでもなく,(Malaysia人の)一般入館客も戦争に対して大きな反応を示していないように思います.
一つの仮説ではありますがMalaysiaの平均年齢は30歳未満で戦争に対する世代的な感情が日本とは違うのだと考えます.Malaysiaでは世代の記憶の移り変わりが相対的に早いです.
館内には植民地時代の征服者の肖像が展示されています.Malaysiaに住んでいて.現地の人の歴史観について考えさせられることがあります.
Melaka(マラッカ)を訪れた時も,Malaysiaの人たちは歴史に対して中立的な立場をとっているように感じられました.
歴史上,植民地化した支配層に対する憤怒はないとは言わないものの,客観的に低いです.
博物館の外にはヘリコプターが展示されています.
前側面が補修されていましたが,現物が目の前にあり,長い時間観察してしまいました.外国人でも自由に入れる軍事博物館で退役した軍事設備とはいえ目に見えるとことに配置していることが少し驚きでした.
戦闘機も展示されており,迫力に驚かされました.
軍事博物館の出口を出て裏手には,丘を利用した遊び場があります.
小さな池があったり,木の間を連結した橋があり大人でも童心にかえって遊ぶことができます.
緑の橋を渡っていると向かいから,若いMalaysiaの女性たちとすれ違い笑顔で挨拶をしました.
Pantai Cahaya Negeri
前の項で紹介して「Army Museum Port Dickson」を出発して,丘を下り浜辺に向かうと「Pantai Cahaya Negeri」があります.
駐車場には特徴的な魚の建造物があります.おそらく現地で釣れる魚なのだろうなと思いますが,日本人としては美味しそうな魚だと感じます.
駐車場は広かったですが,空いている場所を見つけるのには苦労しました.
Malay半島西海岸の浜辺は少し不思議な光景です.潮が引いてあわられ潟のような「浜辺」ではたくさんの人が楽しそうに遊んでいます.
海岸沿いには若い恋人が肩を寄せ合っている光景や若い家族が楽しそうに休日の午後を過ごしている光景が見られて,のどかです
橋を渡り,小さな島「Pulau Burung 」に行くことができます.
陸地から浮島をつなぐ数百mの橋を渡るのですが,橋は昔話に出てきそうな雰囲気で,橋を渡っているときは現世と常世(いわゆる”あの世”)を行き来しているような感覚がありました.
「島」と呼ぶには小さすぎる面積ですが,岸か500mほど離れたところにある浮島を散策することができます.
海水が入り込む土地に植物が生えており,塩分が多い土地でも繁殖できる生命力に関心を持ちました.
自然の光景とはいえ,浜辺に生える植物の光景は初めてで新鮮でした.
Wan Loong Temple
「Wan Loong Temple(雲龍廟,云龙庙)」は「Pantai Cahaya Negeri」を海岸沿いに南に下った道中にある,やや内陸側にある華僑のお寺です.
お寺の名前を直訳すると「雲の中の龍」になります.
豆知識ですが「ワンタンメン」のワンタンは広東語では「雲吞麵」と書きます.すなわち,雲を広東語では「ワン」と発音するので.「Wan Loong Temple」という呼び方につながります.
お寺は小高い丘に建てらていて,お寺からはPort Dicksonの浜辺を見下ろすことができます.
拝観料は無料です.お寺の敷地はあまり広くないので観覧にかかる時間は10分ほどでした.
自家用車で旅行されるのであれば道中にある「「Wan Loong Temple(雲龍廟,云龙庙)」を訪れても良いと思いますが,Grabなどtaxiで移動される方にとってはわざわざ訪れるほどではないと思います.
Pantai Tanjung Baru
「Wan Loong Temple」よりも海岸線沿いに7km南に下ったところに「Pantai Tanjung Baru」という浜辺があります.
海岸沿いにテントが貼ってあり,BBQの匂いとともに楽しそうな子どもたちの笑い声が聞こえてきます.
浜辺というよりは潟というような自然で,海水がまだらに引いていました.
駐車場が狭くて,私が訪れた休日は駐車場に至る道が渋滞していました.公共のお手洗い前も大行列がありました.
Cape Rachado Lighthouse
「Cape Rachado」は直訳すると「Rachado岬」と呼ばれ,地元では「Tanhung Tuan」として広く認知されています.
岬には灯台(lighthouse)が建てられており,丘を半時間ほど歩く灯台に到達します.
生暖かい夕暮れ時に背中にうっすらと汗をかきながら坂道を登っていきます.最初は大したことがないと思っていたのですが,思いの外距離がなかくて給水が必要でした.
疲れ気味で丘の上にたどり着くと,1863年に発注された高さ24mある灯台と対面します.
白牙のような綺麗な白がジャングルの緑と空の青さと強調された対比を映し出しています.
塔の入り口には小屋が建てられていましたが無人でした.無料で灯台近くまで立ち寄ることができます.
灯台の中には入ることができませんが,灯台の周囲を歩くことができます.丘の先を歩いていると改めて岬にいることが認識されます.
歩道の一部が侵食されており,うっかりしたら転落しそうな恐怖心がありました.小さなお子さんをお連れの方は手を離さないようにご注意ください.
灯台を一周して立ち去りぎわに振り返り灯台を見返しましたが,周りの自然に比べて人工的な白さが改めて強調されて浮かび上がっており象牙のような白さが印象に残りました.
Port Dicksonの日帰りレポートは以上になります.
Port Dicksonは私にとって日本における湘南の浜辺のような親近感があります.
日本からMalaysiaに訪れる人には最優先でおすすめはしませんが,Malaysia在住の方には休日に息抜きにドライブで訪れたい場所としておすすめします.
まとめ:クアラ・ランプール日帰りで行ける身近なビーチ
Malaysiaの首都Kuala Lumpurから片道1時間半で訪れることができる「Port Dickson」の観光地を紹介しました.
「Port Dickson」はMalaysia現地の人たちにとって,日本における湘南のような浜辺として人気があり週末になると道路が渋滞します.
浜辺以外にも,軍事博物館,植民時代の灯台など「Port Dickcso」には見どころが満載です.日帰りでゆっくりと本記事で紹介した場所をまわられることをおすすめします.
ここまで本記事をお読みいただきありがとうございます.
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