2021年10月以降に受付が再開すると聞いたのですが,MM2Hの変化点はありますか?
2021年10月以降にMM2Hは再開しますが,もう以前の「MM2H」ではなくなりました.
有名無実となったMM2Hの条件を解説して,条件が「改悪」となった背景について私なりに考察します.
私はMalaysiaで駐在員をしています.
EPと言われる労働ビザでMalaysia現地法人で働いていますが,将来的にMM2Hを取得してMalaysiaを中心に海外移住生活も検討していました.
すでに旧来のMM2Hの取得条件は整えた矢先に,改悪となるMM2Hの新条件が発表されて非常に驚いています.
MM2Hとは
MM2H(Malaysia My 2nd Home)は,Malaysia政府が外国籍の長期滞在者向けに提供しているビザです.
基礎知識
MM2Hの基礎知識について書きます.
- 2002年にMM2Hが開始
- 累計で57,478名がMM2Hを取得
- 旧来のMM2Hは一度取得すると,10年間ビザ有効
- MM2H保有者は配偶者を帯同できる
- 2020年8月には武漢肺炎の影響で新規MM2H受付を一時凍結
- 2021年10月から,MM2H取得条件を変更して新規受付再開
MM2H保有者57,478名の構成は次です.
→FMT: Don’t worry, Hamzah tells current MM2H holders
- 28,249名はMM2H保有者本人
- 29,229名はMM2H保有者の帯同者
MM2HにはMalaysia滞在日数制限がないので,7,000-8,000名はMM2H保有したにも関わらず,Malaysiaには移住をしていないようです.
国籍別のMM2H保有者数割合
毎年平均5,000人前後が新規にMM2Hを取得していました.
旧来のMM2H取得条件は,所有財産・収入制限が比較的緩かったため,年金暮らしの日本人でも容易に取得できる海外長期滞在ビザとしてMM2Hは人気を集めていました.
国籍別でみるとMM2H保有者で最も多いのは中国で全体の30.5%です.
統計データはMM2H公式サイトを参照しました.
2021年現在どれくらいの日本人MM2H保有者がいるのか,最新版のデータは公開されていませんでした.
ポイント
2021年のMM2H保有者数が57,478名で,そのうち11%が日本人と仮定すると,約6,000人の日本人MM2H保有者がいると推測できます.
中国大使はMM2Hが停止した1ヶ月後に抗議
MM2H保有者の約30%を占めるのが中国人です.
2020年8月にMalaysia政府がMM2Hの新規発行を停止した後に,真っ先に抗議をしたのが当時の在マレーシア中国大使でした.
MM2Hの新規発行が正式に停止することが発表されたのが2020年8月でしたので,その1か月後の9月に白天中国大使が抗議をしていたことは行動の速さに感嘆します.
そして,2020年11月には白天大使は在マレーシア中国大使を離任されています.
いま振り返ってみると,白天中国大使がMalaysia政府にMM2Hの再開を求めて抗議してから1年以上も,”上客”の中国の抗議を無視してMalaysia政府はMM2Hを停止していたことになります.
悪い知らせは便りとともに…再開された新MM2H
2021年8月11日Malaysia内務省により,コロナ禍を理由に1年2ヶ月近く停止していたMM2H新規受付が2021年10月から再開されることが発表されました.
→FMT: Malaysia My Second Home to resume in October
MM2H窓口再開は喜ばしいニュースであるはずでしたが,新しいMM2Hの取得難易度が格段に上がっており,MM2Hの取得を目指している人たちに悲報となりました.
MM2H取得の新旧条件比較
新しい申請条件と旧来の申請条件と比較表を作成しました.
新条件 | 旧条件 | |
年齢制限 | 35歳以上 | 20歳以上 |
年間滞在日数 | 90日以上 | - |
国外収入(月収) | RM 4万(日本円 104万円) | RM 1万(日本円 26万円) |
定期預金 | RM 100万(日本円 2,600万円) | 50歳以上:RM 15万(日本円 390万円) |
50歳未満:RM 30万(日本円 780万円) | ||
更新期間 | 5年ごと | 10年ごと |
流動資産 | RM 150万(日本円 3,900万円) | 50歳以上:RM 35万(日本円 910万円) |
50歳未満:RM 50万(日本円 1,300万円) | ||
年間維持費用 | RM 500(日本円 1万3千円) | RM 90(日本円 2千円) |
事務手数料 | 本人 RM 5,000(日本円 1万3千円) | - |
被扶養者 RM 2,500(日本円 7千円) |
在マレーシア日本国大使館のホームページに,MM2Hの新しい取得条件・申請条件の日本語訳を参考にしました.
→在マレーシア日本国大使館 【領事メール】【新型コロナウイルス】マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムの再開、新規申請に関するマレーシア内務省発表内容(2021年8月13日)
他には,次の条件があります.
- 犯罪歴のないことを証明する必要
- MM2H保有者の上限を1%
定期預金については,(35歳以上)50歳未満かつ扶養家族がいる場合は,一人につきRM 5万(日本円 130万円)加算,ただし,不動産取得,医療,教育目的で50%まで引き出し可能となっています.
流動資産は換金性のある次のものが含まれます.
- 普通預金
- 定期預金
- 株式
- 投資信託
不動産は流動資産とはなりません.
MM2H新条件は引退移住を困難に
全ての面において,MM2Hの新しい取得条件は厳しくなっています.
国外収入が年収1,200万円あれば,他の国でもっとより長期滞在ビザを取れるではないかという,当然の疑問があがっています.
いままでのMM2Hの受け入れ条件が緩かったとも言えます.
私はMalaysia駐在員をして1年目が終わった頃にはMM2Hの旧来(現行の)取得条件を自然に満たしていました.
帰任命令が出たら,定期預金をMalaysiaの銀行に残してMM2Hを取得しようかなと密かに考えていました.Malaysia駐在を通して,Malaysiaを拠点に将来生活することを選択肢にしていました.
しかし,新しい条件のMM2Hには魅力がなくなったので,私はMM2Hの取得はあきらめます.3ヶ月の旅行ビザで定期的にMalaysiaに訪れようと前向きに考えています.
ポイント
国外での収入が月収104万円,年収1,200万円という条件が特に,MM2Hの取得を計画していた人を篩に落としてしまいます.収入が年金だけでの外国人はMalaysia生活はできなくなりました.
既存のMM2H保有者への離婚状
旧来のMM2Hを保有している人は次回の更新までの間に,国外収入と定期預金金額を積み増さなくてはいけないという大変厳しい要求となっています.
旧来のMM2Hの有効期限は10年で,2020年8月以降発行が停止していたので,2030年8月をもって旧来MM2Hは全て失効します.
2030年までの9年間の間に,大幅にMalaysia在住日本人は撤退を迫られるとみられます.
ポイント
既存のMM2Hが失効する時期に,新しい条件で再申請をしなくてはなりません.
もしも新しいMM2H申請条件を満たせない場合は1年間の猶予期間が与えられます.
旧来の条件でMM2Hを取得した人には少なくとも既存の条件で更新を認めるべきだとは思います.
すでにMalaysiaで住宅を購入して長期滞在をしている方にとっては,「新条件の改悪」と「既存MM2H保有者へ適応」は国家的な”欺瞞”と捉えられているかもしれません.
昔はMalsysia政府とMM2H保有者で一緒に発展していく同じ将来をみることができましたが,今はそれぞれ思惑がずれて来てしまっているようです.
2021年10月追記
Malaysia内務省の発表により,既存MM2H保有者は(1)MM2H維持手数料として年間RM500を支払う,(2)Malaysia年間滞在日数90日以上の2条件を満たすことでMM2H更新を認めることを発表しました.
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【2021年 MM2H続報】改悪のまま再開,君主が抗議の声を上げるもMM2Hは富裕層限定に
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長期滞在ビザを取得する抜け道
MM2Hの申請時の時だけ収入を証明すれば良いのであれば,褒められた方法でなければMM2Hを取得するために書類を用意する抜け道は考えつきます.
Sarawak州が独自に行なっているS-MM2Hという長期滞在ビザを取得することが一つ目に思いつく方法です.取得条件は旧来のMM2H相当です.
他には,MM2H申請の直前だけ,国外所得と定期預金額をかさ上げする方法です.
しかし,何か落とし穴があると感じるのは私だけではないと思います.
日本で例えるならば,日本国政府は長期滞在ビザは発行しないのに,北海道だけ独自で外国人受け入れ用の長期滞在ビザを発行しているという状況です.
しかも北海道で長期ビザを取得すれば,北海道で累計15日間過ごせば,あとは自由に日本国内に住めるというビザですので,入管管理局としては面白いとは思わないはずです.
MM2H新しい条件への違和感
2021年10月以降に適用されるMM2Hの新条件のうち,いくつかの項目は目的が理解できますが,多くの項目は不思議なくらい厳しい変更となっています.
定期預金 RM100万(2,600万円)と為替リスク
長期滞在者への定期預金の要求は,「何かあった時の保証金」を求められていると解釈できます.
Malaysia政府として外国人の保証金を要求するのは当然だとしても,保証金を要求される外国人の側に立つと抵抗感を感じます.
RM100万(日本円 2,600万円)相当のお金を用意してMYR(Malaysia Ringgit)に両替することにリスクがあります.
たとえMalasyiaの定期預金に1.75%の金利が付与されるとしても,世界的に見ると弱小通貨のMYRは年間10%以上も為替が変動し得るので,金利で得た利益はなくなり為替損のみが残ります.
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マレーシア定期預金の利息だけで生活できる?3つの罠に注意【結論:インフレ&低金利のため難しい】
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為替以外にも,銀行の倒産時のペイオフに関しても懸念があります.日本でさえ銀行一行のペイオフ金額は1,000万円ですので,Malaysiaで銀行が倒産した際に定期預金が全額保証されると期待はできません.
金利によるリスクを取らなくてはならず,その上,銀行への預け金が全額保証されるとは限らない点は注意が必要です.
MM2H保有者は人口1%を上限とする
新しいMM2Hの条件に,MM2H保有者数の上限をMalaysia人口の1%とする規定が加わりました.
Malaysiaの人口は約3,200万人ですので,人口の1%は32万人になります.
ポイント
2021年8月時点でのMM2H保有者は6万人未満で,Malaysia人口の0.2%未満.
MM2Hは19年間運用して6万人しかMM2H保有者がいないにも関わらず,旧来の条件よりも極端に条件を厳しくして保有者が32万人を超えるような情勢になるとは,にわかには想像できません.
国外年間収入 1,200万円
MM2Hの新条件のなかで最も改悪となっているのが,国外収入年収1,200万円以上の条件です.
遠回しのお断り?
この条件に対する多くの人の反応は概ね次でした:「こんなに収入があるのならMalaysiaを長期滞在国に選ばない.」
私もそう思います.
なぜ誰でも考えつくようなMM2Hの改悪をMalaysia政府はしたのでしょうか?
私は,Malaysia政府は「外国人にはできればMM2Hを申し込んでほしくはない」のではないかと思います.少なくともMM2Hを世界に向けて訴求していくならば今回の改悪はしません.
MM2Hを始めたMalaysia政府はなぜ心変わりして,「外国人にはできればMM2Hを申し込んでほしくはない」と考えるに至ったのでしょうか?
正直にってMalaysia政府の心変わりの理由は私には分かりません.
実は,武漢肺炎が流行する前の2019年9月以降すでに兆候は現れていて,2020年3月以降のコロナ禍を口実にMM2Hを停止「せざる」えない状況となりました.
入国管理局がMM2Hの管轄になったことが影響しているのかもしれません.
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所得税の課税が目的?
MM2Hの新条件のもう一つの条項に,「Malaysiaの滞在日数が90日以上」があります.
政府は「90日滞在日数の条件は長期滞在者がMalaysia国内で消費をしてもらうため」と説明していますが,腑に落ちません.
MM2H取得条件の90日以上の滞在を満たそうとすると,遅かれ早かれMalaysia居住者とみなされます.
次のうち、ひとつでも該当する場合は所得税法上の居住者となります。
- 当暦年に182日以上滞在した場合。(この滞在中、就労していたか否かは関係ありません。)
- 当暦年の滞在日数は182日未満であるが、前暦年からあるいは翌暦年に連続して182日以上滞在する場合、当暦年において所得税法上の居住者となります。例えば、赴任初年度の暦年には40日しか滞在しないが、翌暦年からは1年を通じてマレーシアにおける勤務が予定されている場合や、逆に、日本への帰国が決まって、当年度の滞在日数が40日しかないという場合などを想定しています。
- 当暦年で90日以上滞在しており、かつ直前の4暦年中、3暦年において、①居住者である場合、または②90日以上マレーシアに滞在している場合には当暦年において居住者となります。
- 過去3暦年および直後の暦年においても居住者となる場合、当暦年においても居住者となります。マレーシア人が1年間だけマレーシア国外にでるような場合などを想定しています。
Malaysia政府は,新しい条件を満たすMM2H保有者の国外収入から所得税を取りたいのではないでしょうか.
国外で得た収入が課税対象となる基準は存在して,必ずしも所得税の対象とはなりませんが,課税対象とならないと言い切ることはできません(=課税対象となりうる).
Malaysiaでは所得税は累進課税制が採用されており,MM2H取得条件の年収RM 48万(日本円 1,250万円)に対しては25%以上の所得税が課せられます.
ポイント
国外収入であっても,所得税としてRM 12万(日本円 312万円)以上を支払う可能性があります.
私は税制の専門家ではないので,「可能性があります」「かもしれません」と語尾をつけていますが,新しいMM2Hに申し込む際は税理士に相談してこの点を確認された方が良いと思います.
2021年のMalaysia国家予算における歳入額はRM 3,225億(日本円 8.4兆円)規模です.
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仮定の話ですが,
- (規定上限値の)人口1%相当の32万人のMM2H保有者がいて,
- MM2H規定の国外所得年間RM 48万が全て所得税の課税対象
であるとすると,MM2H保有者からの所得税合計はRM 384億(日本円 1.0兆円)となります.
国家歳入額の12%相当とかなりの規模の歳入になります.(本当に人口の1%もMM2H保有者が集まるかが仮定の中で脆い部分です.)
Malaysia政府が取らぬ狸の皮算用をしているか分かりませんが,MM2H申請者は国外所得を確実に申告させられることをふまえると,全くあり得ない話ではないと思います.
Malaysia税務局がMM2Hに関与しているとすると,MM2H保有者から所得税を徴収するスキームが出来上がります.
MM2H保有者の国外所得に対して本気で所得税を課すかどうかは今のところは可能性の1つに過ぎませんが,懸念すべきことの一つです.
2021年10月以降MM2H申請が再開した後に徐々に課税の実行有無がが判明します.
MM2Hへの冷遇の系譜
MM2Hプログラムは2002年から開始していますが,2019年以降明らかにMM2Hに対するMalaysia政府の冷たい態度が見え隠れしていていました.
2021年10月から再開するMM2Hの新条件の「改悪」は,2019年以前からの政府の冷遇事象を点として,点と点を線で繋いでみると,今回のMM2H改悪は一連の出来事の延長線上で起きた出来事の一つに見えてきます.
コロナ禍以前から止まりかけていたMM2H
2020年武漢肺炎が世界中を混乱に陥れる中,Malaysia政府は2020年8月にMM2Hの受付業務の停止を発表しました.
MM2Hを停止した背景として政府は「疫病が蔓延している渦中に,外国人の受け入れを停止することを決定した」と説明しています.
感染病による理由は最もらしいのですが,実際は2019年9月から11月にMM2H申請の内90%の申請が却下されていたとMM2H協会会長が発表しています.
→The Star: More than 90% of MM2H applications from Sept-Nov 2019 rejected, claims association
以前のMM2H承認率については不明ですが,記事中に「(MM2H協会の担当者が)あまりの却下率に驚いた」というくだりがあるので,90%の却下率は異常と考えて良さそうです.
その上,MM2H申請却下の理由は政府からは書かれていなかったようです.
追記:2021年9月1日
2020年3月武漢肺炎によるMCO(都市封鎖)が発令されてから,2021年8月末までにMM2H申請は13,873件あり,そのうち4,714件が承認されています.
MM2H申請承認率は34%となっています.
→Hamzah: MM2H participants must be of quality and contribute to economy
Malaysia政府としては感染病が蔓延する前からすでにMM2Hを停止・見直す動きはかけていたようです.
MM2H保有者の入国お断り
2020年3月以降,武漢肺炎の対策としてMalaysia政府は外国人の入国を禁止して実質上の鎖国(MCO,行動制限令)に入ります.
鎖国状態の中でもMalaysia国民の入国は認めていました.
Malaysia政府の対応で私が疑問を持ったことは,「MM2H保有者の入国禁止」です.
長期滞在を目的としてMalaysiaに自宅を持っている人のMalaysiaへの帰国を,2020年5月17日までの2ヶ月間一切認めませんでした.
→在マレーシア日本国大使館 【新型コロナウイルス】マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)パス保有者の再入国許可(2020年5月21日)
Malaysia My 2nd Home(Malaysiaは第2の家)という看板をつけた長期滞在ビザにも関わらず,コロナ禍で行き場を失った住人が家に帰ろうとすると門戸を固く閉める.海外の住まいを売り払ったMM2H保有者は滞在先に明け暮れることになりました.
MM2H管轄は入国管理局へ
Malaysia政府は2020年8月にMM2Hの受付業務の停止発表した際に,あわせて,MM2Hの管轄をMOTAC(Malaysia観光・文化省)から入国管理局に移管することが決定しています.
MOTACの存在意義は,Malaysia国内の観光・文化を振興することですので,MM2Hによって外国人がMalaysiaに長期滞在してくれることに対してMOTACが前向きに捉えていたと言えます.
MM2H申請者とMOTACで利害が一致していますので,他国に比べて緩い申請条件で(旧来の)MM2Hは存在できたと思います.
そして,MM2Hの管轄が入国管理局に移管されてどうなるのか?
入国管理局の目的は,外国人の入国を管理して,Malaysia国内での外国人が合法的に暮らしたり,働らいているかを管理することにあります.
MM2Hが一度発行すると保有者は10年間は自由にMalaysiaで生活できて,出入国ができる自由度の高いMM2Hビザは,外国人にとっては便利でも,入国管理局として厄介なビザです.
まとめ:MM2Hは過去のものに,現在のMM2H移住者は撤退の覚悟を
MM2H visaを取得を目指されていた方だけでなく,すでにMM2Hを取得してMalaysiaに長期滞在されている方々にとっては,今回の「改悪」されたMM2H取得(更新)条件は寝耳に水です.
すでにMM2Hを発行している人に対しても新しい規則を当てはめることは,Malaysia政府による「MM2H保有者の追い出し」と取られてもおかしくはありません.
私は,「年金をもとに海外移住してきた人たちを追い返すようで残酷だ」と思いました.
一方で,外国政府にとって,私たち日本人はどこまでいっても外国人でしかなく,いざとなれば「手を切れる存在」でしかなかったということは冷静に見ています.
MM2Hの目的はMalaysia政府による世界的な慈善活動であるはずはなく,長期滞在者による経済効果を狙った下心がありました.
移住者はMalaysiaの下心を理解して,Malaysiaでの生活を勝ち取ったはずです.
私は思うのですが,Malaysia政府は今回のMM2H条件変更で「年間1,200万円相当の年収があって,十分な蓄えをMalaysiaの定期預金に預けてくれる外国人がわざわざMalaysiaを長期滞在地に選ぶわけない」ことは認識していると思います.
それではなぜ「改悪」と言われるようなMM2Hの新条件を発表したのか?
答えは分かりませんが,私は「Malasyiaが目指す国の将来像が変わってきた」のだと感じます.
昔はMalsysia政府とMM2H保有者で一緒に発展していく同じ将来をみることができましたが,今はそれぞれ思惑がずれて来てしまっているようです.
MM2Hの改悪後のドタバタ劇と新しい条件見直しについては次の記事をご覧ください.
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【2021年 MM2H続報】改悪のまま再開,君主が抗議の声を上げるもMM2Hは富裕層限定に
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