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マレーシア一般

マレーシアのコロナウイルス・ワクチン接種データ備忘録【2021年8月】

2021年8月22日

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こにゃん
こんにちは,こにゃん(@こにゃん)です.

 

本記事を書いている8月20日時点で,Malayisa国内の成人人口50%(約1,100万人)がワクチン接種2回を完了させています.

 

Malaysia国内のワクチンに関していくつか気になった数字を備忘録として書き残しておきたいと思います.

 

本記事のデータは下記のGitHubデータを参照しました.貴重なデータの提供に感謝します.

 

 

こにゃん
全体の設計図である2021年ワクチン接種計画については,次の記事にまとめましたのであわせてお読みください.

 

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 接種ワクチンの種類

 

Malasyia国内では2021年8月時点で,次の3種類のワクチンが認可されて接種をされています.

 

  • Sinovac製
  • Pfizer製
  • AstraZeneca(AZ)製

 

ワクチン承認状況(8月5日時点)

国家ワクチン接種方針によると,Malaysia政府として次のワクチンを調達していくことを予定しています.

 

ワクチン種類 調達量(人口あたり%) 配布開始時期 承認状況
Pfizer 4,480万回 (70%) 2021年2月24日 2021年1月8日(6月15日に12歳以上に拡大)
AZ 640万回 (10%) 2021年5月5日 2021年3月2日
Sinovac 1,200万回(19%) 2021年3月18日 2021年3月2日
CanSino 350万回(10%) 2021年7月末 2021年6月15日
Sputnik V 640万回(10%) - 審査中
JJ - - 2120年6月15日
Covax 640万回(10%) 2021年5月5日 -

 

 

次にMalaysia国内でのワクチン種類ごとの接種数について整理します.

 

ワクチン接種割合:50%はSinovac製

2021年8月までの累計として,Malaysia国内で接種されたワクチン種類別の割合は次のグラフになります.

 

マレーシア ワクチン 種類 割合 2021年8月

 

第1位は中国産のSinovac製のワクチンで,接種された全ワクチンの50%となります.

 

ポイント

2021年8月19日までの累計ワクチン接種数

  • Sinovac 約1,500万回(50.2%)
  • Pfizer    約1,200万回(41.9%)
  • AZ           約200万回(7.9%)

 

Malaysiaは,国内で複数のワクチンを並行して接種していることから,ワクチン種類ごとの病原体に対する貴重な医療データを持っています.

 

こにゃん
保健省はワクチンの種類ごとの陽性者数,重症化数,死亡者数を公開していませんが,気になるところです.

データを開示すると,ワクチン接種者の混乱を招くので,データーの開示を避けているのかと推測します.

 

ワクチン接種計画に対する進捗

2021年2月に発表されたMalaysiaワクチン接種計画に対して,2021年8月時点でどのくらい進捗しているかを確認してみます.

 

マレーシア ワクチン接種計画 進捗 2021年8月

 

進捗率をワクチンごとにまとめた表は次です.(2021年8月19日時点)

 

 進捗率
Sinovac 107%
Pfizer 50%
AZ 38%

 

ポイント

2021年8月時点で,Malaysia国内の成人人口50%にワクチン2回接種が完了しています.

国民の40%接種を計画しているPfizer製ワクチンですが,計画に対して50%の進捗となっており,計画の明暗はPfizer製ワクチンの供給にかかっています.

 

Sinovac製の供給はもうすぐ停止?

2021年7月中旬になり,Malaysia保健省は急遽,Sinovac製の発注を止めて在庫を持って当社のワクチンを終わりにすると発表をしていました.

Reuters: Malaysia to stop using Sinovac vaccine after supply ends - minister

 

Sinovac製の購入を停止する明確な理由は述べられていませんが,近隣諸国で中国製のワクチン購入停止を受けた流れを受けているのだろうと推測されます.

 

こにゃん
明確な理由を述べることは中国との外交上の取引に支障があるために,曖昧な表現でSinovac製ワクチンから手を引いたのだと私は思います.

 

一方で,製薬会社Pharmaniaga Berhadは,追加で600万回分のSinovac製ワクチンを供給する契約を政府と交わしたことを発表しました.

The Star: Pharmaniaga to supply more vaccines

 

ポイント

Sinovacはすでに当初のワクチン接種計画数を超えて接種を行っており,政府は追加の購入を停止すると発表していますが,Pharmaniaga社が継続購入をしているために当初の計画数を超えてSinovac製ワクチンの接種数が増加しているようです.

 

ワクチン進捗率:50万回/日を維持

Malaysia国内では,ワクチン接種が急加速して一日あたり50万回の接種が行われています.

 

マレーシア ワクチン 種類別 接種状況 2021年

 

日本では1日あたり120万回の接種が行われたこともありましたが,Malayisaの人口を日本に置き換えると1日あたり200万回接種が行われており,Malaysia政府が大規模にワクチン接種を行っているかご理解いただけると思います.

 

次にワクチン1回目と2回目の接種数のグラフをそれぞれ切り分けます.

 

ワクチン1回目接種数の推移

ワクチン接種1回目は7月28日ごろに極大となっており,以降,減少に転じています.

 

ワクチン接種 1回目 進捗 マレーシア 2021

 

12-17歳の国民はワクチン接種を受けていませんでしが,2021年9月15日以降,国内のワクチン供給状況をみながらこれらの未成年にもワクチン接種を受けられるように政策が変更されました.

Code Blue: Malaysia To Offer Teens Covid-19 Vaccines From September

 

こにゃん
未成年のワクチン接種が開始する9月15日以降,再び1回目ワクチン接種数が増加に転じるとみられます(信じています.)

 

ワクチン2回目

各種ワクチンは1回目と2回目に3週間以上の期間を原則設けることになっています.

MOH: CLINICAL GUIDELINES ON COVID-19 VACCINATION IN MALAYSIA

The Star: Khairy: Malaysia to shorten AstraZeneca dosing interval from 12 to nine weeks

 

接種1回目と2回目の間隔
Sinovac 2-4週間
Pfizer 3週間
AZ 9週間

 

ワクチン接種1回目は7月28日に極大点となっていますので,2回目ワクチン接種の極大点はおおよそ3週間後である8月20日ごろと見られます.

 

マレーシア ワクチン接種 2回目 進捗推移 2021年

 

ワクチン接種別の接種状況

Sinovac,Pfizer,AZのワクチンそれぞれの接種状況について,種類別に紹介します.

 

Sinovac:7月末で購入停止の一方で,接種は継続

Sinovac製ワクチンはワクチン計画の当初購入数よりも7%多くすでに購入していますが,さらに接種数は伸びそうです.

 

まだ1回目の接種数が減少傾向を見せておらず,1回目接種が収束に向かってから2ー4週間後に2回目の接種も終わるとみられます.

 

Sinovac シノバック マレーシア 接種状況 2021年

 

こにゃん
Pharmaniaga社によるSinovac追加購入があるので,しばらくはSinovac製ワクチンはMalaysia国内で流通しそうです.

 

Pfizer:1回目の接種数が減少中

気になるのはPfizer製ワクチンの一回目接種の回数が7月末を境に急激に落ちていることです.

 

8月下旬になるとPfizer製ワクチン2回目接種数は,1回目の減少傾向が遅れて反映されてくるでしょう.

 

Pfizer ファイザー マレーシア ワクチン 接種

 

ワクチン接種計画に対してPfizer製ワクチンの接種数は50%に到達したばかりなのに,すでに1回目接種数が減少傾向を見せています.

 

Malaysia国内では9月15日以降,12-17歳の国民へのワクチン接種が開始します.

 

そして,未成年への接種が認められているワクチンで流通しているものはPfizer製ワクチンのみです.

CodeBlue: Malaysia Approves Pfizer Jab For Teens, CanSino And J&J Covid-19 Vaccines

 

未成年者へのワクチン接種は学校での対面授業再開の重要な要素となりますが,Pfizer製ワクチンの供給が根詰まりは大きな懸案事項です.

 

こにゃん
未成年者にPfizer製ワクチンを接種するために,7月末から計画的に成年への使用を減らして代わりにSinovac製を使用してPfizer製ワクチンを温存しているという推測もできます.

 

AZ(AstraZeneca)

AZ製ワクチンは計画では640万回分(320万人分)の接種を計画していましたが,まだ進捗率は38%です.

 

アストラゼネカ AZ マレーシア ワクチン 接種状況 2021年

 

AZ製ワクチンは全体のワクチン接種数からすると計画時点でも少数でしたので,AZ製ワクチンの進捗は大勢には影響はしていません.

 

AZ製ワクチンはKuala Lumpurを中心に使用されており,Kuala Lumpur在住の方にとっては2回目ワクチン供給の遅延は大きな影響になりそうです.

 

州別の接種ワクチン種類

Malaysiaの州ごとに接種しているワクチンを種類別に使用率として整理して,ワクチンの種類ごとに使用率の最も多い3つの州を並べました.

 

Sinovac製 Pfizer製 AZ製
第1位 Labuan 95.8% Sarawak 79.0% Kuala Lumpur 25.3%
第2位 Perlis 72.0% Selangor 58.6% Pinang 12.4%
第3位 Negeri Sembilan 66.0% Kuala Lumpur 52.1 Johor 9.4%

 

例えば,Labuanでは接種されたワクチンの95.8%がSinovac製となっています.2021年8月時点で,Labuanは最も新型肺炎を抑え込んだ州(正しくは連邦直轄領)です.

 

まとめ:成人人口へのワクチン接種率50%,Pfizerの供給が懸念

 

Malaysia国内のワクチン接種状況について,2021年8月時点の情報をまとめました.

 

成人人口に対してワクチン接種2回完了した率は約50%となっており,更なるワクチン接種人口の増加によりMalaysia国内の急激に悪化した感染状況が改善することが期待されます.

 

2021年7月時点で1回目ワクチン接種数の極大点は通り越しているので,8月下旬から2回目接種数も減少すると予想されます.

 

9月15日からは12-17歳の国民に対するワクチン接種が開始するので,9月中旬以降にワクチン接種数は再び上昇に転じそうです.

 

 

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ここまで本記事をお読みいただきありがとうございます.

 

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こにゃん
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