Malyasia国内では,昨日2020年11月6日過去最大の新規陽性者数1,755名を記録しました.
本日11月7日,Ismail Sabri上級大臣は,3州を除くMalaysia全域でCMCOを12月6日まで施行することを発表しました.
2020年内はCMCOの呪縛から抜け出せそうにありません.
国内の行動制限は一層厳しくなる見込み
Malaysia国内陽性者数 累計4万人も直前に
2020年11月6日の一日あたり新規PCR検査陽性者は,過去最高の1,775名を記録しました.
うち,1,199名はSabah州での陽性数となっています.
→ FMT Record high 1,755 Covid-19 cases, 2 deaths
11月7日の新規陽性者は1,168名で.11月7日までの累計で,PCR検査陽性者累計数は39,357名となりました.
現在の傾向が続けば,明日11月8日には累計4万人の大台に到達するでしょう.
Malaysia国内のPCR検査陽性者数に関してまとめてみます.
ポイント
- 累計で1万人を確認したのは9月16日.感染初期からおよそ240日経過.
- 累計で2万人を確認したのは,10月18日.追加で1万人増えるのに,32日経過.
- 累計で3万人を確認したのは,10月29日.追加で1万人増えるのに,11日経過.
- 累計で4万人を確認したのは,11月8日.追加で1万人増えるのに,10日経過見込み.
累計陽性者2万人から3万人に増えるのに11日かかりましたが,ほぼ同じ日数の10日で3万人から4万人に増える見込みです.
意外かもしれませんが,感染数理modelから言うと,これは感染拡大速度が鈍化していることを表しています.
感染は本来指数的に増えていきます.
同じ期間の間の増加数がほぼ横ばいということは,むしろ感染拡大の加速度が負になっているということです.
陽性件数だけでなくて,他の数値(基本再生数)ももっと丁寧に説明して,国内の感染状況の傾向を説明して安心感を与えた方が良いように思います.
正しく恐れる方法を学ばないと,恐怖感に押しつぶされてしまいます.
CMCO 2.2に延長,対象範囲を拡大して12月6日まで施行
11月7日,Ismail Sabri上級大臣は会見でCMCO(条件付き行動制限令)を延長することを発表しました.
→ Malay Mail: Ismail Sabri: CMCO in all but three Peninsular states from Nov 9 to Dec 6
ポイント
- Perlis,Pahang,Kelantanの3州を除く全州でCMCOを施行する.
- 対象期間は,11月9日から12月6日まで,
- CMCO対象区域の学校,幼稚園は閉鎖.
- CMCO対象の州,地域を超えて勤務地に移動する場合は,雇用主のletterが必要.
- 1家庭から2人までしか日用品の購入に出掛けてはいけない.
10月14日以降Klang Valley(Kuala Lumpur,Selangor州,Putrajaya)で施行されたCMCO 2.0は,2回目の延長となり,CMCO 2.2となります.
Perlis,Pahang,Kelantanの3州はCMCO対象外です.
しかし,CMCO対象地域の州境が制限されることを考えると,今回のCMCOは実質的に全国的な行動制限令に等しいです.
まとめ
私は,もうCMCOは解除すべきだと考えます.
- PCR検査能力を拡大すればするほど,陽性者数は増え続けるでしょう.本当に必要なのは,症状が出ている人を検査して,治療を行うことだと私は思います.衛生遵守は継続が必要ですが,多くの国民の行動を自粛させる必要はありません.
- 政府の国民に対する態度も,一方的に感染病を恐れさせるで,経済活動の萎縮を生んでいます.
- 学校は閉鎖されたままで,子どもたちは教育の機会を奪われています.子どもをもつ親は,仕事を休まざるを得ない状況が出てきています.
- Gym,poolなど健康維持のための運動施設が閉鎖せれており,人々の心身ともに疲弊しています.
- 車の同乗者数が原則2人までとなっており,家族での外出も自由にできません.
CMCO延長の根拠となっている新規PCR検査陽性者数.
陽性者率,基本再生数も低い基準になってきている中,果たして国内の経済・教育を一部制限してまで行う必要があるのでしょうか.
Malaysia国内,PCR検査数の陽性・陰性件数に関するdata(11月4日時点)をお見せします.
引用先:Outbreak.MY
Malaysia国内で総2,198,172件のPCR検査を実行して,陽性は35,425件です.
したがって,PCR検査の陽性率は1.6%です.
MalaysiaのPCR検査最大数は,54,706件/日.
→ CMCO2.0 2日目,Malaysia政府はPCR検査能力を拡大へ【Malaysia 感染症対策】
仮に,毎日PCR検査最大数の検査を行ったとすると,見込まれる1日あたりの陽性者数は,875名(=54,706件 * 1.6%).
Sabah州刑務所の集団感染を除くと,Malaysia国内の感染者数はほぼ上記の計算数に近くなります.
結論は,検査数の枠に応じて陽性数が増えています.
陽性率は高くはありません.むしろ,陽性率1.6%になる程,検査対象(母数)を拡大している意義を問うべきです.
政府は「PCR検査で全ての陽性者を追跡する」という姿勢は柔軟に軌道修正して,経済活動を刺激するように国民と意思疎通を行うことを望みます.
最後に,PCR検査費について書きます.
PCR検査は,およそ1回RM250(日本円 約6,300円)です.
累計RM5.5億(日本円 約137億円)のPCR検査費用をこれまで投じたことになります.
RM5.5億(日本円 約137億円)の価値がある感染対策ができたのか検証しないと,来年も今年以上のPCR検査費用が追加で発生するのを見過ごすことになります.
1回検査結果が陰性でも,感染のriskはあります.これから日常生活を送るために,定期的にPCR検査を繰り返さなくてはいけないかと思うと頭と鼻が痛くなります.