Malaysiaに旅行,移住するにあたり現地の言語について気になると思います.
本記事では次のような疑問にお答えします.
マレーシアの言語に関する疑問
- Malaysiaで英語は通じる?
- なぜMalaysiaでは英語が通じるの?
- Malaysia人の英語は「なまり」がある?
- Malaysiaで生活するにはどれくらいの英語力が必要?
本記事は主にMalaysiaに興味を持って旅行・移住したい人に向けて書きました.
こんな方におすすめ
- Malaysiaに旅行する予定がある方
- Malaysiaへの移住に興味がある方
- Malaysiaへ海外転勤の予定がある方
本記事をお読みいただくと,Malaysiaで必要な英語の水準を理解した上で,Malaysia旅行・移住に向けて効果的な英語学習方法を知ることができます.
私はMalaysiaで仕事をして3年になります.日常的にMalaysia人と仕事をして,休日は現地の美食をめぐったり旅行をしています.TOEICの点数は950点です.
Malaysia歴3年の私が断言しますが,英語ができればMalaysiaでは旅行はもちろん,生活も支障がありません.
恥ずかしながら私はMalay語をほとんど話せませんが,代わりに英語のみで3年間Malaysiaにて仕事をしています.Malaysia人の英語については耳も慣れていて,現地で仕事をするのに最低限必要な英語力も理解しています.
本記事のポイント
- Malaysiaの首都圏・観光地では英語が通じる
- 旧英国植民地時代の影響と学校での英語教育
- Malaysia人の英語は独特のなまりがあり聞き取るのに苦労
- TOEIC 700点ほどで意思疎通で困らず現地で英語の実践ができる
ぜひ本記事の最後までお付き合いください.
Malaysiaは英語社会
「Malaysiaで英語は通じるか?」
その答えは「Yes」です.日常的に英語が話されていますし,看板,商品の包装でも英語が使用されています.
Malay語と英語での併記も多いです.
Malaysia人の英語力を高いということを耳にしたことがあるかもしれませんが,実際に「Malaysiaは英語社会」といえます.
外国人である私たちが住む生活圏では,英語だけMalaysiaは生活できます.
地元の人と話すと,瞬時に相手はあなたを外国人であることを認識して,英語で話しかけてくれます.
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私はMalaysiaの各地に旅行をしてきましたが,大都市を離れて外国人観光客が少ない場所に行くにつれて英語が通じなくなることを感じます.
とはいえ,Malaysiaに3年住んでいる私でもMalay語が話せないことで死活問題になった場面は年に1回あるかどうかです.
ポイント
日本人が訪れる観光地や移住先の地区ではMalaysia現地の人は英語を流暢に話す確率が高いです.
Malaysiaではなぜ英語が話されている?
Malaysiaの公用語は「Malay語(Bahasa Melayu)」ですが,英語が広く話されています.
Malaysiaでなぜ英語が普及しているか背景について説明します.
Malaysiaはかつて英国の植民地でした.英国の植民地時代にMalaysiaの学校で英語教育が行われたことで英語が現地に浸透していきました.
英語がMalaysiaに持ち込まれたことで,Malay語の文字もJawi文字からアルファベットに変わりました.いまでも政府機関やモスクの看板を見るとJawi文字が併記されています.
英国から独立を果たした後,Malay連邦では英語とMalay語が公式文章で両方使われていましたが,1967年の「National Language Act」でMalay語が唯一の公用語と定められました.
→ Malaysia Government:Official Language
Malay語が公用語となった後も,英語は実用語として日常生活で使われ続けました.
Mahathir氏が首相を務めていた時期に,当時のMahathir首相は英語の重要性を説いて,学校教育に英語を積極的に取り入れていきました.
多民族国家のMalaysiaにおいて英語教育を推し進めることは民族の言語を追いやることになり反発もありましたが,科学と数学を英語で教えることになりました.
→The New York Times : In Asia, the English imperative
ポイント
Malaysia人は英国の植民地時代から文化的にも英語を取り入れているだけでなく,学校での英語教育も徹底していることから英語を流暢に話せる人が多いです.
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Malaysia英語のなまりは半年くらいで慣れる
日本人の英語は「カタカナ英語」と揶揄われるように,Malaysia人の英語は「Manglish」と巷では呼ばれています.
Manglishを聞いていただく動画として,人気YouTube番組「バイリンガール英会話 | Bilingirl Chika」をご紹介します.
Chikaさんと,Malaysia人YouTuberのJinnyさんとの共同動画です.
Jinnyさんの英語を聞いていただくと,Malaysiaでの英語の雰囲気が伝わるかと思います.
ポイント
Malaysia人の英語は正統派の英語発音ではないけれど,伝えたいことがはっきりしているために内容はわかりやすいです.
英語表現も中学校までで習うものが大半ですので,英文法がわからなくて聞き取った英語が理解できないということは少ないです.
「r」の音が身近くぶつ切れになるので知っている単語でも聞き取りに苦労しました.
しかしMalaysia人の英語に慣れてくると,欧米人の話す英語よりもMalaysia人の英語の方が聞き取りやすいということに気づきます.
Malaysia人の英語力は?
Malaysiaで生活,仕事をするために英語力を理解するために,まずはMalaysia人の英語力を紹介します.
英語の流暢性を測る世界的な指標を提供している2020年度版EF EPI(English Proficiency Index)によると,Malayisaは世界第30位に位置します.一方で,日本は第55位です.
- Malaysia(第30位)
- 日本(第55位)
→EF Education First: Global Ranking of Countries and Regions
EF EPIの世界順位は具体的な英語力がわからないと思いますので,私の体験を交えてMalaysia人の英語力を紹介します.
Malaysiaの大学卒は即戦力となる英語を身につけている
私は,Malaysiaの現地法人で仕事をしています.
採用されているMalaysia人の方は英語が仕事ができることが採用基準になっているので,必然的に私の周りには英語のできるMalaysia人が多いです.
優秀な同僚だなと思う一方で,彼ら,彼女らの英語はMalaysiaで大学を卒業する人たちの中では一般的だと聞きます.
Malaysiaで大学卒の人の英語水準は,日常生活および仕事で通用するものです.
本当に先月入社したばかりの新人と話しても,はっきりと意思疎通ができる英語力を身につけています.
発音・文法よりも主張がはっきりと伝える
Malaysia人は,学校で英語を学習しています.
日常生活の中でも自然と英語を使う環境がある点は日本とは違いますが,Malaysiaの学生は日本人と同じように学習して英語を習得しています.
Malaysia人は,日本人と同じように文法,発音では間違っていることがあります.
しかし,Malaysia人は英語を使った会話でも文面でもはっきりと伝えたい主張があります
聞いている側としては,意見がはっきりしているので文法間違いや発音の違いを通り越して,言いたいことが理解できます.
ポイント
Malaysiaで必要な英語力とは,発音や文法が正しい「正統派の英語」を使えることではなく,瞬発的に自分の考えを表せる「実践的な英語」です.
「can」の使い方が独特
Malaysiaに来て私が感じた「Malaysia人の英語の特徴」は,「can(できる)」の使い方です.
「can」の語尾を変化させることで,意味を何通りにも使い分けています.かなり簡単な使い分けなのですが,慣れると大変便利です.
表現 | 語尾 | 意味 |
Can? | 上げ気味 | できる? |
Can! | 言い切り | できるわ |
Can can | 繰り返す | もちろんできる |
Can ka? | 語尾に「ka」がつく | できますでしょうか? |
Malaysia旅行・移住に向けてどれくらい英語力が必要か?
「Malaysiaに必要な英語力」と一言で言っても,Malysiaで旅行をするだけか,Malaysiaで移住をして仕事をするかでも必要な英語力は変わってきます.
Malaysia在住者の私の体験に基づき,それぞれの場合について必要な英語力を解説します.
Malaysiaを旅行する
Malaysiaで旅行するのに必要な英語力は「中学校英語が身についていて,簡単な構文が口からすぐ出る」水準です.
難しい構文は使えかったり,相手の言っていることを全部聞き取れなくても,必要最低限のことを英語で伝えられれば旅行では充分です.
Malaysia人の英語力は高いですので,多少こちらの英語がたどたどしくても理解をしてくれます.
Malaysiaに移住して仕事はしない
Malaysiaに移住して自由気ままに過ごして,現地では仕事をしないということであれば,同じく中学英語が身についていれば問題はありません.
日本人が引退した後,Malaysiaに移住して余生を送っている姿をみているように,最低限の英語力さえ話せれば快適に現地で過ごすことができます.
Malaysiaには3万人近い日本人が住んでおり,日本語で完結する日本人の輪が大きいです.
Malaysiaで仕事をする,現地の人と関わる活動をする
英語で仕事をするためには,「聞く・話す・読む・書く」ことができなくてはなりません.
ココがポイント
TOEICで測れる「聞く,読む」能力に関しては,TOEIC 700点が必要です.
TOIEC 600点以下の日本人同僚をみていると,英語の読解力がなくて,英文を誤読したり,聞き取り間違いする場合が多数あり仕事に支障をきたしました.
TOEIC 700点以上の同僚は,英語での聞き取り,mailでのやりとりは円滑に行なっています.
「話す・書く」については,客観的な指標で必要な能力を示すことが難しいのですが,「話す・書く」能力の目安は次です.
ココがポイント
中学英語の瞬間英作文を1題5秒以内に答えられる
「話す・書く」ことに関しては,中学英語を的確に瞬発的に使えることが重要です.
小難しい表現を使うために時間を使うならば,単純な英文をつなげて素早く表現した方が良いです.
まとめ:マレーシアで英語は通じるけれど,なまりは慣れが必要
Malaysiaは英語だけで生活できるくらい,英語がよく通じます.
公用語はMalay語ですが,かつての英国植民地時代の影響で街中では英語表記がみられます.外国人としてはMalaysiaでは英語が最低限できれば何とかなります.
Malaysiaの英語は初めての方には聞き取りづらいですが,慣れてしまえば問題なく聞き取れるようになります.
まずは英語の基礎体力を鍛えて,自分の言葉で表現できる訓練をすることが大事です.
Malaysia人にとっても,日本人にとっても英語は第2言語.
自信を持って英語で話してみてください.
ここまでお読みいただきありがとうございます.
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