新卒で会社に入社して,海外勤務を目指すための方法を解説します.
海外勤務を目指す人の疑問
- 就職活動をしているのですが,将来海外勤務をするためにどの会社を選べば良いのですか?
- どのような職種が海外転勤の可能性が高いのでしょうか?
- 新卒で入社して何年目で海外赴任できますか?
本記事は上のような疑問に答えます.
海外駐在は,会社の資本を利用して海外で仕事ができる飛び級システムです.海外で仕事をしたいという方は,本記事を読んで海外駐在を目指してみてください.
本記事を読むと,海外駐在を目指しやすい会社・職種選びができて,目標の海外駐在員に一歩近づけるようになります.
こんな方におすすめ
- 海外勤務を目標にしている学生の方
- 就職した会社で海外転勤を狙っている若手の方
- 第二新卒として海外勤務のある企業への転職を目指している方
私は新卒で日系企業に入社したのち,入社3年目でMalaysiaに海外赴任をしました.
私は学生の頃から海外での仕事に憧れており,採用面接でも海外勤務を希望しました.幸運も重なり,同期の中でも最速で海外駐在員の座を得ることができました.
この記事では,海外駐在を目指すための「会社選び」「業種選び」の重要性をお伝えして,入社から海外駐在するまでの流れを解説します.
本記事の内容
- 海外駐在を狙うならば「企業」×「職種」の2軸
- 商社・電機・自動車は海外駐在員が多い
- 海外駐在で求められる職種とは?
- 就職活動から海外赴任までの流れ
それでは本編に入っていきます.
海外駐在を狙うならば「企業」×「職種」の2軸
将来海外での仕事を目標にして就職活動中をしている学生の方は,「企業」と「職種」の2軸を意識して就職活動をしてください.
「海外で事業展開している企業」を選ぶだけでは不充分です.2軸を意識する必要があります.
そもそも「海外で仕事をする機会のない企業」を選べば,海外駐在をする可能性はありません.
しかし「海外で事業展開している企業」に勤めれば誰でも海外勤務ができる訳でもありません.
企業にとって海外現地で働いてもらう価値のある職種であることが必要条件となります.
ポイント
将来,海外勤務を目指すのであれば「企業選び×職種選び」の2軸を意識する.
新卒で狙いたい海外勤務者が多い企業トップ
海外駐在を狙う上でまず一つ目の軸である「企業」をどのように選ぶかみていきます.「東洋経済 海外勤務が多い会社トップ200」という記事を参考にしました.
海外駐在員の「人数」が多い企業
業種別に海外駐在員の数を集計した結果が次の図になります.
海外勤務が多い業種は次になります.
海外駐在員が多い業種
第1位 : 商社・卸売業
第2位 : 電機・事務機器
第3位 : 自動車
「商社」を会社別に見ると三菱商事,三井物産,住友商事がランキング上位に入っています.
「電機・事務機器」はソニー,キャノン,富士通など世界でも名前が知られている会社が入っています.逆の見方をすると,日本では知名度が高くても海外での販売規模が少ない電機メーカーの駐在員は少ないです.
「自動車」は,全世界で日本車のブランドが健在で,かつ各世界に工場を持っていることから駐在員が多いことは納得です.自動車メーカーだけでなく,自動車産業に関連する駐在員まで含めるとかなりの人数になります.
海外駐在員の「割合」が多い業界
次に,海外駐在員の割合が高い業界をみます.
「従業員数に対して,海外駐在員の割合がどのくらいいるか?」という視点で整理をすることで,入社後に海外駐在員に選ばれやすいかを判定するのに役立ちます.
商社:海外駐在員も多く,駐在員割合も高い
商社は,海外駐在員数が多いだけでなく,社内での駐在員の割合も高いです.
海外駐在員の一般的な駐在期間が平均4年となりますので,話を単純化すると4年ごとに日本勤務者に駐在の機会がめぐってきます.
-
海外赴任の平均期間は4年間【結論:4年目で海外の仕事は一巡する】
続きを見る
ポイント
商社での従業員あたりの海外駐在員は約20%ですので,勤続20年以上の人は1回は海外経験をしている可能性が高いです.
製造業:入社の門は広いが,海外駐在員になるには職種が重要
製造業は海外駐在員の絶対数は多いのですが,従業員に占める駐在員数は10%以下となっています.
従業員数は多いですので,製造業の企業に入社はしやすいものの,入社後は海外駐在員に選ばれるためには戦略が必要です.
ただし,従業員には海外法人の現地採用者も一部含まれているので,日本人従業員にしめる日本人海外駐在員の割合はもう少し高いと見込まれます.
ポイント
製造業の企業に勤めて海外駐在を目指すのであれば,「海外駐在員になりやすい職種」というもう一つの軸で考える必要があります.
JETRO,JICA:海外駐在員割合が30%と圧倒的に高い
JETRO,JICAは従業員に占める海外駐在員の割合が30%を超えています.
一方で,従業員数が少ないので入社数することの方が駐在員になるよりも確率が低いです.
海外駐在員になるには「企業」選びよりも「職種」選びが重要
「海外駐在の可能性が高い企業」という軸をみた後で,本章では「海外駐在の可能性が高い職種」という軸を解説していきます.
海外駐在で求められる職種の特長
私が考える海外駐在で求められる職種の特長は次の3つです.
それぞれの特長について述べていきます.
海外市場を開拓する
海外での市場を開拓するために,海外の現地に日本人を派遣します.
リモートで仕事ができる時代にはなりましたが,思っているよりも「足を運ばないと得られない情報」がたくさんあり,インターネットに掲載されていない情報こそが今でも価値を持ちます.
新しい取引先を開拓する営業,市場を調査するマーケティング,新規の部品調達先を見つける購買が代表的な例となります.
海外法人に技術を移植する
海外の現地法人に日本本社の知見・技術を移植するために日本人が派遣されます.
製造業であれば日本人エンジニアの持っている技術を海外現地のエンジニアに教えて海外工場を底上げしたり,素材・化学業であれば製造装置の組み立ておよび製造ラインの立ち上げをサポートします.
新しい商品を作る技術開発,海外におけるITプラットフォームを構築するITエンジニア,工場の生産ラインの品質を管理する生産管理が代表的な例となります.
海外法人の経営を円滑にする
海外法人の経営をサポートして,日本本社との連携を強化するために日本人が派遣されます.
海外法人の経営数値を分析したり,時にはITインフラを整えることで,海外法人の利益を最大化するための土台を築きます.
海外と日本の貿易において海外側から輸出入の業務を行う貿易,海外法人の働く環境を構築する総務,日本本社との連携をとり海外法人の経営方針を決めていく経営企画が代表的な例になります.
新卒で海外赴任までの流れ:入社3年目で海外赴任できる
会社に入社した後に実際に海外赴任までの流れについて解説します.
ベネッセが運営する就活サービス【doda キャンパス】は,登録するだけで企業から連絡が送られてくるサービスです.
就活を始める前に幅広く企業を知りたい人,インターンを通して業界を知りたい人におすすめです.
\就活生60万人以上が登録!/
逆求人型就活サービス オリコン顧客満足度第1位
海外での仕事の夢を持っているけど,まだ具体的なことはわからないというときは早めに情報収集をすることが大事ですので「doda キャンパス」への無料特録をお忘れなく.
会社での仕事を覚えて,人間関係を構築する
就職活動をしている学生の方からすると熱意が先行して「入社後にすぐにでも海外で働きたい!」と思われるかもしれませんが,実際は入社したての新人を海外法人に送り出すことはしません.
なぜならば,海外駐在員は本社の仕事を理解した上で日本と海外の仕事をつなぐような橋渡し(雑用)を全うする必要があります.
学業的な優秀さを持ってしても,業務の流れを理解するには1年以上はかかります.
日本で2年間は業務実績を積んで会社のビジネスの仕組みを理解して,目の前の業務を一人でこなせるようになることが求められます.
ポイント
自分の部署の人はもちろんのこと,関係部署の人とも連絡を取り人脈を構築しておくと,海外赴任をした後に日本での人脈が海外の仕事で縦横無尽に活躍するための起爆剤となります.
将来の管理職育成コース
早いと入社して3年目には海外赴任の声がかかります.
20代から30代半ばの海外赴任は,「海外で実地訓練をして将来の管理職育成をする」目的が比重としては大きいです.
現地での担当業務をこなす必要がある上に,管理職の業務であったり,他部署の業務を代理でこなしたり雑務も増えます.
ポイント
海外駐在中に管理職の仕事や部署横断の業務をこなしていくことで,自然とビジネスの俯瞰力や業務効率化の方法が身につきます.
帰任後は本社で管理職への出世コースに乗ることが多いです.私の駐在先輩方はみな,帰任して2,3年で課長に出世をしています.
こちらもCHECK
-
【海外駐在員キャリア】帰任後に転職?同じ会社で勤めて出世コース? 【結論:変革と安定のどちらを求めるか次第】
続きを見る
海外駐在の可能性は一度ではない:第2新卒で海外駐在を目指すもあり
新卒で入社した企業で海外勤務の可能性がほぼない場合は,転職を考えた方が良いです.
新卒で入社した企業に固執する必要はないので,自分の人生を考えて柔軟に環境を変える判断が必要です.
海外駐在の有無に関する判定基準としては次となります.
海外駐在がある職場か確認する方法
- 会社に海外法人がある
- 同じ課・同じ部の先輩で直近4年以内に海外駐在に派遣された人がいる
もしも上の2条件の両方が満たされない場合は,転職活動をして新しい環境で海外駐在を目指した方がいいと言えます.
新卒で入社した企業が海外赴任する可能性がないと判明したら,20代ハイエンド層向けの転職エージェント【アサイン】への登録をおすすめします.
若手ハイエンド転職に特化サービスで,目指す姿から逆算してキャリアの方向性をエージェントが一緒に考えてくれます.
\初回面談でキャリア相談からスタート/
Bizrachコンサルティング部門2020 MVPを受賞
まとめ:「会社」×「職種」→ 海外赴任への近道
「企業」×「職種」の2軸で海外赴任への道を解説しました.
就活の際は,海外駐在員を送っている企業群をまずは研究すると同時に,それらの企業に勤めている先輩に話を聞いて海外転勤する人の特長や海外駐在した際の仕事について質問をして自分なりのイメージを持つことが大事です.
ここまで本記事をお読みいただきありがとうございます.
本記事を読んで何か学びがありましたら,何か一歩を踏み出してください.
-
海外駐在員はエリートだけだと思ってる?選ばれる人になるための準備6つ【マレーシア駐在員の実体験】
続きを見る
-
TOEIC 950点を取得した私の英語勉強方法 3選 | 役立つ英語を身につける
続きを見る
-
【渡航準備】日本からマレーシアへの持ち物リスト | 移住・駐在・留学向け
続きを見る
-
海外駐在員の役割とは? グローバル化しない日本企業【Chikirinさんのブログを読んで】
続きを見る