Malaysia政府は停まらない感染状況に対して,6月1日以降の全面的な都市封鎖(total lockdown)を宣言しました.
Malaysiaの首都Kuala Lumpurに住む私の感想や体験記を踏まえながら,最新の都市封鎖内容について紹介します.
Muhyiddin首相,全面都市封鎖の発表
2021年5月28日(金),Muhyddin首相はMalaysia全土で全面的な都市封鎖を行うことを発表しました.
Kenyataan Media mengenai penutupan penuh sektor sosial dan ekonomi ataupun ‘total lockdown’. pic.twitter.com/2JC2SlnDkm
— Muhyiddin Yassin (@MuhyiddinYassin) May 28, 2021
MCO 3.0をすでに実行して1ヶ月経ちませんが,停まらない感染状況に焦りを感じた政府の様子が伺えます.
「経済を止めることはしない」と公言していた首相ですが,ついに前言を撤回して経済凍結に踏み切りました.
都市封鎖によって,実際には経済凍結ではなく,経済”凍死”に近い状況になるかもしれません.
全面都市封鎖の内容
発表された全面都市封鎖(total lockdown)の内容としては,次になります.
- Malaysia全土を対象
- 期間は6月1日(火)から6月14日(月)の2週間
- Essential(必需)産業,serviceのみ営業を許可
- 都市封鎖は3段階に分けられる.今回は第1段階となる
- 2週間後に感染がおさまった場合,第2段階に移行して経済活動が許可される.第2段階の期間は4週間.
- 第3段階では一部の社会活動を除き経済活動はほぼ再開.現在のMCO 3.0相当.
- 2週間後に感染状況がおさまらない場合は,7月13日(火)まで4週間延長.
→FMT: Total lockdown from June 1 to June 14
さらに,全面的な都市封鎖を受けて,財政支援策が発表される予定となっています.
SOPの項目
5月30日(日),Ismail Sabri上級大臣が会見で都市封鎖中のSOP(行動遵守規則)を発表しました.
→FMT: Lockdown rules: what you can and cannot do
首相が都市封鎖を発表して2日後のSOPを発表となっており,2日間国民の間ではSOPにまつわる不安が広がっていました.
SOPの中で気になる項目を並べます.
- 車の同乗者は2人まで
- 自宅から10km圏内の移動に限る,ただし医療,ワクチンに関する移動は例外
- 外出は日常品の購入,医療,治療を目的とする場合に限る
- Joggingなど単独でできる運動は許可
- 食料品店は営業可能(朝8時から夜8時まで)
- 必需産業は,人数を60%を上限として営業可能(日用品,公共service,医療など)
- 電機・化学・設備・繊維産業はMITIの許可のもと人数を60%として稼働可能
- 車・素材産業は,人数を10%を上限として稼働可能(ただし目的は”idle mode”)
MalaysiaではすでにMCO 3.0が発令されており,外食(店内飲食),州を超えた移動はすでに禁止されています.
今回の都市封鎖でいきなり生活が不自由になるかといわれると,既存の制限がさらに厳しくなっただけで,正直日常生活にはあまり大きな影響はなさそうです.
Malaysiaの企業としてはいままで(人数を60%制限して)稼働を許されていたにもかかわらず,6月1日から営業停止となり企業活動への影響が大きいです.
Malaysia国内の陽性者数を受けて都市封鎖の決断
Malaysiaでは,2021年Ramadan(断食月),Hari Rayaの期間を通して陽性者数が指数的に増大しています.
全面的な都市封鎖が発表された5月28日,1日あたりの陽性者数としては最大数となる8,290名を記録しています.
当日の死亡者数は61名となっています.
過去最大の陽性者数を受けて,Muhyiddin首相は上記の都市封鎖を決断したとしています.
5月単月で制限令が目まぐるしく厳格化
2021年5月は目まぐるしく感染症対策の政策が変化して行きました.
- 5月4日 Selangor州に対するMCO発表
- 5月5日 Kulala Lumpur,Johor, Perakに対するMCO発表
- 5月10日 Malaysia全国でMCO 3.0発表
- 5月13日 Hari Raya Aidilfitri(国家祝日)
- 5月23日 MCOのSOPを厳格化
- 5月28日 Malaysia全土で全面的な都市封鎖の発表
5月中旬にMalaysiaはHari Raya長期休暇があり,国民の全国規模の移動があり感染の拡大が懸念されていました.
中途半端な規制しか行わなかったMalaysia政府.
結果的に感染拡大を招き,高い代償となる全国規模の都市封鎖を行うことになってしまいました.
全地域に蔓延している感染病
5月28日の陽性者数を州・連邦直轄領別にみてみます.
COVID-19: 28 Mei 2021
J kes sembuh: 4,814
J kumulatif: 474,139 (86.3%)J kes baru:8,290
J kumulatif: 549,514J kes aktif: 72,823
Kes local: 8,288 (7,630WN, 658BWN)
Kes import: 2 BWNJ kematian: 61 (59 WN)
J kumulatif: 2,552 (0.46%)J kes di ICU: 808
Pesakit Intubated:403 pic.twitter.com/odWAuBM512— Noor Hisham Abdullah (@DGHisham) May 28, 2021
州,連邦直轄領別にみると,Selangor州が一番多く2,052名です.
第2位のKelantan州(862名)は人口数で言えば200万人規模の州ですので,人口あたりの陽性者数としては第1位となっています.
陽性者数は各州でも徐々に増えており,大都市のみで感染が拡大しているという描像は変わってきているようです.
東南Aisa諸国の中で人口あたりの陽性者数でみたときにMalaysiaは第1位となっています.
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東南アジアの中で人口あたり新規陽性者数で第1位となったマレーシア,現地在住者の感想
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私も身近に陽性者を聞くようになっており,病原菌の存在を不幸にも身近に感じるようになりました.
ICU(集中治療室)病床がすでに80%を超える使用率になっているなど,国内では焦燥感が出てきています.
→Malay Mail: Dr Noor Hisham: Covid-19 ICU occupancy at 83pc with almost 900 beds taken up
2020年の第1回 MCOの記憶
2020年3月18日からMalaysia全土で第1回目のMCOが発令されました.
今回MCO 4.0となる全面的な都市封鎖は,1回目のMCOと同程度の厳格なものとなると言われています.
2020年当時の様子を月毎に記録した記事もぜひご覧ください.
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写真で振り返る2020年私のマレーシア,ときどき日本
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今読み返すと,MCOで外出が禁止された2ヶ月間をよく耐え抜いたと感慨深いです.
一時帰国を検討されている場合
全面都市封鎖の発表を受けて,日本への一時帰国をご検討されている場合にご参考になる記事を紹介します.
まずは,私のMalaysia再入国時の記録です.
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日本からマレーシア入国体験レポート,空港から隔離ホテルまでの手続き
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注意
2020年のMCO 1.0のときには外国籍の入国が一斉に停止しました.
本記事を書いている2021年5月28日時点で,6月1日以降の入管が制限されるかどうか情報がありませんが常に最新情報をご確認ください.
Malaysia再入国時の隔離ホテル選びは,下の記事をご参考ください.
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日本からマレーシア入国,隔離プレミアム・ホテル13軒【2021年】
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Premium hotelを事前に予約されることをおすすめします.
まとめ
Malaysia全土で全面的な都市封鎖(total lockdown)が6月1日より発令されました.
6月1日を起点に合計6週間は,経済活動を含めて大幅な制限がかかることが予想されます.
一般向けのワクチン接種が開始しているものの,ワクチン普及による感染沈静化は半年先まで見通せません.
Malaysia在住のみなさんも,全面的な都市封鎖中はまずはご健康を大事になさってください.
精神にも適宜に息抜きをできることが必要です.
私は冷静に今自分にできることを見出して,全面的な都市封鎖を乗り切っていきたいと思います.
ここまで本記事をお読みいただきありがとうございます.
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