日本で春を迎えるたびに,満開の桜を見ると心が落ち着きます.日本の四季が生み出す自然の美である桜ですが,常夏のMalaysiaにも「桜」が咲くことをご存知ですか?
Malaysiaの「桜」は奇遇にも4月に咲くため,日本の桜が咲く時期と同期しています.
こんな方におすすめ
- Malaysia在住の日本人の方
私はMalaysiaで駐在員をしていたのですが,最初の2年間はMalaysiaの「桜」に気づきませんでした.
Twitterで「桜」の写真を見て,車を運転して急いで「桜」が咲いている公園に行ったところ,まるで日本に舞い戻ったような錯覚がありました.
「Malayasiaで桜が咲く分けない!」と思われる方は,ぜひ最後まで記事をお読みください.
この記事の内容は次になります.
本記事のポイント
- Malaysiaに咲く「桜」の正体は,ピンクの花を持つ中南米産のテコマの木
- テコマの木の花を見れる時期は乾季が明けた例年3月〜4月ごろ
Malaysiaに咲く「桜」
Malaysiaは赤道近くの国で一年を通して平均気温が30度近くあります.常夏の国では日本の桜は生息できません.
2年間住んでいても気づかなかったMalaysiaの「桜」
私がMalaysiaの「桜」の存在を知ったのは,2021年3月になってSNS上で話題になってからです.
以前にもMont Kiaraまで車で食事に行った時に,偶然道端にピンク色の木を見たのを覚えています.
その時は,鮮やかなピンク色に目を奪われましたが運転に集中していたためすぐに意識の外に出てしまいました.
SNSを見て,ようやくあの時の木はMalaysiの「桜」だったと気がつきました.
Facebookで話題になったMalaysiaの「桜」並木
Malaysiaの”桜”が話題になったのは,DPKL(Kuala Lumpur市役所)によるFacebookへの投稿がきっかけです.
Malaysiaの「桜」の正体はTecomaの木
噂の桜の木は,"Tecomaの木"というのが本当の名前です.
DBKLによると,
Tecomaの木の情報
- Kuala Lumpur市内には,10,030本の”Tecomaの木”が植えられている
- うち,1,173本は道路沿いや市役所管理の公園内に植えられている
Facebook投稿の写真をご覧いただくと,見事なピンク色で鮮やかな色彩です.
KL市内でTecomaの木が見れる場所
Kuala Lumpur市内でTecomaの木が見えれる場所として紹介されているのは,
Tecomaの木が見える場所
- Jalan Kelang Lama
- Jalan Kuching
- Jalan Sri Permaisuri
- Jalan Metroprima Kepong
- NPE Highway
MalaysiaでTecomaの木が見られる場所を知りたい時は,ぜひ下記のsiteもご参考ください.
→ hype: 14 Locations You Can Find Blooming Tecoma Trees In Malaysia
Tecomaの花の見頃は3月から4月ごろ
Tecomaの木は,中南米原産の植物です.
Tecomaの木が開花するには乾燥が必要であり,Malaysiaの乾季の時期に合わせて,3月から4月ごろに満開を迎えます.
一方で,日差しが十分であればいつでも花を咲かすことがあるようです.
【レポート】実際にTecomaの木を見に行ってきました
今回私は,Kuala Lumpur中心部から車で20分ほど走ると行ける,「Jalan Metroprima Kepong」にTecomaの木を探しに行きました.
Kepongの集合住宅を運転しながら,「桜」を探しているとすぐに見つかりました.
暑い日差しのもとで咲くピンクの花
Kepong現地に到着すると,目に入るピンク色.
確かに春に咲く桜のようです!
すでに大部分の花びらは車のボンネットの上や道路の上に落ちていて,木には緑の葉っぱが生えています.
3月下旬に訪れましたが,時すでに遅しでした.
気を取り直して,まだ花を咲かせている木を探してみました.
Tecomaの木は2週間しか花を咲かせない
Tecomaの木は,わずか2週間しか鮮やかな花を咲かせないそうです.
Tecomaの花と桜の類似点は,鮮やかなピンク色だけでなく,1年間の中でわずか2週間しか咲かせないという儚さもあります.
私が訪れた3月最終週にはすでに,Tecomaの花は散り始めていたので3月中旬が見頃だったのかもしれません.
東京でも2021年3月22日に満開となっており,期せずして5,000km離れたMalaysiaでも同時期に綺麗なピンク色の花が咲いていたようです.
白やピンクに鮮やかな花
薄いピンク色の花もあれば,濃いピンク色の花もあります.
街のいたるところにピンク色の花がまだ咲いており,風情が感じられました.散る花のもつ美しさはどこか共通していると思います.
集合住宅の合間にある,広い球技場にもTecomaの木が植えられていました.
Malaysiaでは3月下旬とはいえ,日中の気温は30度を超えています.
さすがに日向で”花見”をする人はいませんでした.
透き通った青い空と緑の葉の対象で,ピンクの花が綺麗に浮かび上がった光景が心に残りました.
結構大きいTecomaの花弁
Malaysiaの「桜」と呼ばれるTecomaの木ですが,Tecomaの花弁は大きいです.
Tecomaの花が落ちるときは,「ひらひら」舞い落ちるという描写ではなく,むしろ「どすん」と落ちるという表現が近いです.
桜の風情を楽しみにしてTecomaの木をみて,少しがっかりするのは桜吹雪がないからかもしれません.
Malaysia紙幣 RM 1と比較すると,Tecomaの花弁の方がひとまわり小さいです.
Malaysia紙幣 RM 1は,日本の千円札をさらにひとまわり小さくした暗いの大きさの紙幣です.
まとめ:1年内2週間だけ咲くMalaysiaの「桜」で風情を感じる
Malaysiaの「桜(Sakura)」と呼ばれるTecomaの花について紹介しました.
常夏のMalaysiaでは日本の桜は生息できませんが,中南米原産のTecomaの木は生息することができます.
Tecomaの木が咲かす花は色鮮やかで日本の桜を彷彿とさせます.
Tecomaの木が満開を迎えるのは,日本の桜と同じく3月中旬から4月となっています.
Malaysia在住の方は,一年に一回の自然の美しさみにお出かけしてみてはいかがでしょうか?