初めて海外で仕事をすることが決まり,実際に現地で上手く仕事で結果を出すことができるか悩んでいませんか?
海外赴任前の悩み
- 海外での生活に馴染めるか心配
- 海外現地の同僚とやっていけるか心配
- 激務の海外駐在員の仕事でストレスに耐えられるか心配
- 駐在先で初めての管理職になり,仕事をマネジメントできるか心配
本記事では,上記の悩みに応えるようなおすすめの必読本を6冊紹介します.
海外で仕事をしながら慣れていくことも大事ですが,海外に移住する前に備えをしておかないと大きな失敗をする可能性が高まります.日本と同じ感覚でいると,海外でつまずきます.
海外に移住する前に先人たちの知恵・アドバイスを吸収して,海外での仕事を成功に導いてください.
こんな方におすすめ
本書でおすすめする本は,次のような方に向けて紹介しています.
こんな方におすすめ
- 会社の指令で海外に赴任する予定の方
- 海外に飛び出して現地の会社に就職する予定の方
- いつか海外で仕事をしたいと考えている方
海外に移住した後は,日々の生活・仕事が忙しくて,本を読む時間をとることも困難になります.
海外への転勤が決まったその時に本記事で紹介する本を読んで,海外での成功の一助にしてくだければ本望です.
海外で仕事をする前に身につけたいこと
海外で仕事をする上で身につけたいことは次の3つです.
私がMalaysiaで駐在員をして様々な新しい挑戦に出会いました.駐在員になる前に身につけておかったこと,駐在員になった後に気づいた必要なことをまとめました.
海外で仕事する上で大事なこと
- 日本文化を相対化する異文化理解力
- 一から論理を組み立てられる地頭
- めげないストレス耐性
海外で仕事をする前に読みたいおすすめ本6冊
海外で仕事をする前に読んでおきたい,おすすめの本6冊を紹介します.
海外で仕事をする前に読みたい本
今回ご紹介する本の何冊かは「kindle unlimited」の読み放題対象になっていますので,下記リンクから申し込んでいただくと初回30日間は無料で読むことができます.興味のある方はキャンペーン中にぜひお申し込みください.
異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養
1冊目は異文化理解の定番書であるErin Meyer著『異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』です.
海外現地の同僚と働く時に,現地の同僚が育ってきた背景を理解して仕事上のコミュニケーションを円滑に行うための基礎知識を学ぶことができます.
この本を読みはじめた時の私の期待は「各国の国民ごとの性格を分析して,上手く立ち回れるようになりたい」ということでした.
本書では「国民あるある」を学ぶこともできるのですが,さらに深く異文化同士の関係を分析を追いかけることができます.
本書をおすすめした理由は,心理学の用語をたくさんの例を交えながら説明して,「各国の国民性を相対化して,文化は相対的な関係でしか語れない」ということを教えてくれます.
本書の中で印象的な話としては「無口なBo(中国人の名前)」という話です.日本もそうですが,中国でも多弁は嫌がられる傾向にあります.男女平等が叫ばれれている時代に錯綜する言い方をすると「男は黙って…」という潮流です.
中国人の友人が多数いる私は「中国人はむしろおしゃべりだよ!」と思ったのですが,欧米人からすると「中国人は寡黙な国民」ということになります.ちなみに筆者のErin Meyer氏は米国人です.
この本を読むことで「日本人の感覚が絶対ではなく,異なる文化同士で相対的に価値観が決まってくる」ということが貴重な学びです.
ポイント
本書では「High context vs Low context」の解説があるのですが,海外で現地の同僚と仕事をされる方は必須とも言える知識です.
日本人の感覚で伝えたと思ったことが,全然伝わっていないということを上手く説明してくれます.
英語に自信のある方は,原著『The Culture Map: Decoding How People Think, Lead, and Get Things Done Across Cultures』で読んみてはいかがでしょうか?
一方で,学術的な記述が多く,心理学や数学の確率論の前提知識がないと少し躓きやすいです.
過去問で鍛える地頭力
2冊目はフェルミ推定を学ぶことのできる本,大石哲之著『過去問で鍛える地頭力』です.
初めに与えられた限定的な情報をもとにして,「最適解を探索する」ときに,本書で解説されている「フェルミ推定」が活躍します.
例として「ロンドンオリンピックで日本のメダル数を増やす方法は?」という問題に対して,仮説を立てて答えを導きます.結論は本書をお読みください.
初めての海外で仕事をするときは「勘」「経験による推測」が働きません. だからこそ,自分の中で論理を一つずつ組み立てて,答えを導き出す必要があります.
本書を読むことで,異国の地でも汎用性の高い推定をする能力が身につき,数字を使って主張ができるようになります.現地の同僚との議論でも推論過程を示すことで生産的となります.
本書の副産物として,外国の仕事で論理的に説明できるようになります.
はっきりと数字を伝えて内容を伝える必要がある海外では重要な能力です.
相手が外国人であったも,「フェルミ推定」の推論過程を言語化して伝えることで,論理は世界共通ですのできちんと主張を伝えることができます.推論の過程に間違えがあったとしても,後から振り返って何が間違っていたか「エラー探索」も容易です.
そうか,君は課長になったのか
3冊目は東レの取締役,東レ経営研究所社長を務められた佐々木常夫さんが書かれた『そうか君は課長になったのか』です.
海外で仕事をすると,日本で仕事をしていた時に比べて職位が一段以上も上がります.
私も海外で初めて「部下」を持つことになり,自分が知らない現地の仕事をどのように部下に指示して結果を出していけば分からず擦った揉んだしました.結局,部下の一人とは心が通じ合うことができず,私の元を去ってしまうという苦い経験もしました.
私のように海外で初めて部下を持つ人に,管理職の魅力と心得をあらかじめ知っておいてほしいと思い本書を選びました.
本書で語られている「仕事の進め方10ヵ条」は海外でも通用する普遍的な思想です.
そして本書をおすすめに選んだ理由がもう一つあります.
それは,筆者の妻はうつ病を患い,長男は自閉症を抱えているという逆境の中,家族を支えながら仕事をこなしていく様子が,海外駐在員の家庭でも似たような苦しい時期が訪れる可能性があるからです.
海外に移住した後は,「自分の家族が唯一寄り添える相手であると同時に,お互いを守ること」が日本にいた時に比べて一層意識されます.親戚は日本にいて,近所にも知り合いはいませんので,いざというときは海外にいる家族同士で助け合いが必要になります.
ストレスゼロの生き方 心が軽くなる100の習慣
4冊目はTestosterone著『ストレスゼロの生き方 心が軽くなる100の習慣』です.
海外で生活すると,ほんの些細なことも思うようにできず,自分にイライラしてしまいます.
海外の仕事では外国語でのコミュニケーションが中心となり,日本語でのやりとりのように思うように自分の意思が伝えられずストレスが溜まりがちです.さらに,異文化で育った同僚とも最初は距離感がつかめず人間関係でも悩むことでしょう.
海外で感じるストレスと上手に付き合う姿勢を学ぶために本書をおすすめとして選びました.心がしなやかになり,不必要なストレスを避けれるようになります.
本書は読みやすくて,切れ味のより文章体で心が晴れやかになります.
そして筆者は「筋トレこそが最強のソリューションである」と説いていますが,海外で生活していると「健康こそが資本」であると実感します.
海外では車通勤が普通で歩く機会が激減して不健康になりがちなので,本書を読んであらためて体と心の健康が重要であることを思い出させてくれます.
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このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法
5冊目は北野唯我著『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』です.
海外駐在を通して何を身につけて自分の価値を高く売ることができるかという視点を持ってもらうために本書をおすすめにしました.
本書を選んだ理由は,本の題目にかけて「一度でも今の会社でいいのか?」と思ってほしいからです.
海外駐在員は会社の出世コースに乗っていれば安泰な未来がほぼ約束されていますが,「本当に一社に頼り切っていて良いのか?」という反対側の視点を忘れてはいけません.
海外で仕事を始めようとする人に「いきなり転職をすすめるの?」と疑問をもたれそうですが,本書でのメッセージは『「いつでも転職できる」という交渉カード』を持つということです.
「Memento mori(死を忘れるな)」という戒めによって,むしろ生のありがたみが湧くように,「本当に今の会社でいいのか?」という問いを自分に発することで自分の労働市場での価値を上げるように意識が向きます.
海外駐在では20代・30代でマネジメント経験ができて,日本に比べて技術資産の加算が圧倒的に早くなります.自分がたとえ優秀でなくても,マネジメントの経験のある20代・30代は転職で高く評価されます.
海外駐在を通して仕事の経験を積むとともに,自分の「売り方」を考えて,どのような業界が潜在的な成長が望まれるか調査をしてみてください.
「転職本」である本書をあらかじめ読んでから海外に飛び出すことで,自分のキャリアを新しい見直すことができて,海外赴任・海外就職の時期を計画的かつ意識的に過ごすことができるようになります.
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ワイルド・ソウル
最後におすすめする本は垣根涼介著「ワイルド・ソウル」です.今まで紹介してきた本とは少し毛色が異なります.
本書をこれから海外で仕事をする人におすすめしたい理由は,「海外に行くと日本国政府も助けてくれず,独立自尊でなければならない」ということを知って欲しいからです.
日本に住んでいると政府に守られていることが当たり前で日常生活では意識しませんが,海外に移住をするといざという時に日本政府は必ずしもあなたを助けてくれません.会社も全てを面倒見てくれるとは限りません.
本書で描かれているブラジルに移住「させられた」人々に対する政府の冷遇ほどではありませんが,私も「武漢発の新型肺炎」の際に日本国政府・会社の冷たい姿勢を突きつけられました.
私がMalaysiaに駐在中に,Covid-19が世界中で蔓延しました.この時の日本国政府と会社の海外駐在員に対する対応は冷たかったと感じます.
具体的な冷遇の体験は割愛しますが,新型肺炎時,日本国政府・会社の海外在留日本に対する姿勢を見ていると「外国にいる日本人は自己責任」ということを強く意識しました.
「日本国政府・会社は外国にいる日本人の扱いがひどい」ということを書きたいわけではなく,私がお伝えしたいことは「海外で生活するということは独立自尊」なのだということです.
そして本書をおすすめするもう一つの理由は「海外移住は楽園ではない」ということをお伝えたいからです.
脅かすわけではありませんが,海外での生活は良いことも悪いことも両方経験することになります.清濁併せ呑む必要があります.
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まとめ:本を読んで海外での仕事に備えて,あとは実践あるのみ
私が海外で仕事をしてみた感想ですが,細かい知識は大事なのですが,それ以上に次のことが大事だと感じます.
海外で仕事する上で身につけたいこと
- 日本文化を相対化する異文化理解力
- 一から論理を組み立てられる地頭
- めげないストレス耐性
海外で仕事をする上で身につけたいスキルを学ぶ上で,海外で仕事をする前に読んでおきたい本6冊をご紹介しました.
海外で仕事をする前に読みたい本
今回ご紹介する本の何冊かは「kindle unlimited」の読み放題対象になっていますので,下記リンクから申し込んでいただくと初回30日間は無料で読むことができます.興味のある方はキャンペーン中にぜひお申し込みください.
あえて「語学系の本」はおすすめリストから外しましたが,「言語学習」に興味のある方はおすすめの英語・中国語学習を解説した記事をお読みください.
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