駐在員をしていて感じる実際の悩みや苦労したことはありますか?
Malaysiaで3年間仕事をしている私が,若手駐在員の視点で駐在員の悩み・苦労を実体験をもとに紹介します.
海外駐在は将来のキャリアの弾みになるし,自身の仕事の成長を得る絶好の機会です.
駐在員と聞くとバラ色の海外生活を思い浮かべるかもしれませんが,若手として駐在員になると苦労や悩みが尽きません.
本記事は次の悩みに応えるように書きました.
若手海外駐在員についての疑問
- 海外駐在員になると華やかな生活ができる?
- 若手海外勤務での苦労は何がありますか?
- 海外駐在員になるべき?
本記事では,Malaysiaで3年間駐在員を経験した私の体験をもとに,若手駐在員の悩み・苦労を紹介します.
駐在員を目指されている方にとって,駐在員の悪い面も知っていただけると思います.
本記事は次のような方に向けて書きました.
こんな方におすすめ
- 将来海外駐在員を目指している就活生・若手社員
- 現在,海外駐在員をしている方
私がこの記事を書いている目的は,決して駐在員を卑下するためではなく,「海外赴任は悪い面もあるけど,それでも駐在員になりたいか?」と考える上での参考になれば良いと思っています.
本記事を最後まで読んでいただき,デメリットを含めて海外駐在員になりたいか検討してください.
若手海外駐在員の苦労・悩み
私は東南AsiaのMalaysiaで3年間現地法人で仕事をしています.
私の年齢は30代で先輩方にはまだ若手とみられることも多いですが,Malaysia現地法人の職場では中堅として若手を指導したり,上層部に提言を行なっています.
海外駐在員もつらいよ
本記事では悪い面を紹介します.
別の記事に良い面を紹介しました.
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Malaysia駐在を経験した中で悪い面を紹介しますが,Malaysiaに限らず海外だったらどこでもそうだよね,という共通項が多くあります.
読者の方が例えどこの国を目指されているとしても参考になる内容なのではないかと願っています.
辛いけど良い経験もたくさん
駐在員の悪い面も書きますが,私は海外での仕事の経験は前向きに捉えています.
この記事で駐在員の苦労・悩みを書いていますが,いずれも乗り越えた上で成長は大きいです.
ポイント
人生に”もしも”が存在して,3年前に上司にMalaysia法人への出向を打診された瞬間に戻れたとしても,”Yes”と返答します.
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私の経験した苦労・悩み
それでは,私の駐在員としての苦労・悩みを紹介していきます.
同じく20代,30代の方で共感してくださる方がいらっしゃると嬉しいです.
駐在員の苦労・悩み
- 週末も”親密な”お付き合いがある
- 本社と現地法人の板挟み
- 画面越しの家族・友だち
- 駐在員の手当が少ない
- 年の功より実力主義
- 日本からの時差攻撃
- 出張者の付き添い
- 36協定って何?
- 濃ゆい人間関係
- 婚期が遅れる
週末も”親密な”お付き合いがある
駐在者同士は,海外という見知らぬ地で一緒に戦っていく戦士のような仲間です.
日本で働いているときは仕事終わりの飲み会までの付き合いでも,海外法人で駐在員をしていると週末はBBQ,ゴルフ,テニス,旅行などお誘いが来ます.
平日は残業でくたくたで疲れているのに,土曜日は朝5時から同僚とゴルフ,日曜日は同僚とBBQと1週間ずっと同僚と過ごすことになりかねません.
週末をどう過ごすかは人それぞれなので,苦にならなければ週末も会社の同僚と過ごすのも良いとは思います.
本社と現地法人の板挟み
海外駐在中のいまも,私の本所属は本社にあります.
直接の所属は海外法人なので,仕事の指示は現地の上司のものを優先しています.
しかし,仕事は現地法人の仕事を70%,本社との仕事を30%しており,現地法人と本社から仕事の依頼が飛び込んできます.
駐在員は数年の海外勤務の任が解かれて,いずれは日本の本社に戻っていきます.
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本社に楯突いて帰任先が無くなることを避けて,本社の言う通りに事をしなくてはいけないという場面もあると思います.
画面越しの家族・友だち
家族と一緒に駐在することは可能ですが,場合によっては単身での駐在となります.
年に数回しか日本にいる家族・友だちと会うことができなくなります.
両親を駐在先に連れていくことはできないので,両親とは離れ離れになります.両親の年齢も考えると,両親と会う機会が減ることは考えさせられます.
会社ごとに駐在員に年に数回一時帰国する待遇を設けていますが,感染症対策の出入国時の隔離があるため,年に1回帰れるかどうかという苦しい境遇になっています.
駐在員の手当が少ない
「駐在員になると家が建つ」とかつては言われていましたが,昨今は駐在員の手当が減らされています.
その上,海外駐在員の人員も減らされているため海外駐在員の業務量は増えています.
手当は減らされているにも関わらず,業務量は増えるということで,いまの海外駐在員の待遇は悪くなっています.
昔は駐在で家がたった?
私の両親も,私と同じように過去に駐在していました.
親からは「あの頃は駐在をして日本に帰ると家が一軒建つ」と聞いていました.
実際自分が駐在してみると親の頃とは違い駐在員の手当は削られていて,数年駐在しているだけでは家は建ちません.
本社の業績が良い時は,ボーナス込みで考えると本社にいた方が年収が高いのではないかと思います︎.
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駐在員の手当も削減対象
かつて日本企業が海外進出を急いだ80年代,90年代からは20年以上時間が流れています.
海外法人は成熟しており,日本人でなければできない仕事の内容は減少しており,現地の優秀な人たちが海外法人を発展させています.
感染症対策でハード・モードの生活
本記事を書いている2021年6月時点で,私が住んでいるMalaysiaでは武漢肺炎のために1年以上も都市封鎖を繰り返して,飲食店では店内飲食はできず,商業店は閉鎖,
そして10km圏内でしか移動ができないため週末は家でひきこもりとなっています.
行動規制を守らないと罰金を払わされます.(最高額はRM 1万,日本円 約26万円)
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年の功より実力主義
私はMalaysiaの現地法人で働いています.
Malaysia人は温厚な性格の人が多いですが,仕事の上では実力主義です.
日本人駐在員という肩書きで,現地の同僚を顎で使えると勘違いをしていると面を食います.
もしあなたに実力がなければ,すぐに化けの皮は見破られて,あなたの無茶な指示を聞いてくれなくなります.
ポイント
むしろ自分で努力して現地の仕事を覚えて,みんなに実力を認めてもらえるような結果を出さなくてはいけません.
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日本からの時差攻撃
新型肺炎の流行で,会議の形式はオンライン会議が主流になりました.
気軽に日本の同僚と打ち合わせを行えるのですが,打ち合わせの時間で苦労します.
Malaysiaの場合は日本との時差が1時間です.
日本の本社とweb会議をする際も,Malaysia時間で朝8時(日本時間 朝9時)が一番早い開始時刻で,遅くても夜の21時(日本時間 夜22時)が一番遅い終了時刻です.
私はまだ人間らしい生活ができますが,日本と時差が3時間以上ある国に赴任すると日本の本社,顧客との打ち合わせのために自分の私生活を削ることになります.
出張者の付き添い
海外駐在員の重要な仕事に,本社からの出張者の対応があります.
武漢肺炎が流行して世界的に海外出張が停止する前は,毎週,毎月誰かが現地法人に出張しにきていました.
日本から出張者が来ると,駐在員は空港へのお迎え,日中の会議設定,夜の会食手配,滞在hotelへのお見送りなど一日がかりで時間をとられます.
夜の会食までの一日full付き添いだと,一日中文字通り自分の時間がありません.
ポイント
出張者の対応だけが仕事ではないので,通常の仕事をこなさなくてはいけないので結果残業して溜まった案件を処理していくことになります.
36協定って何?
海外法人に赴任して一番驚いたのは,残業が常態化している実態です.
原因は,駐在者が本社の仕事と現地法人の仕事の両方を処理しなくてはならないことです.
駐在者は通訳者でない
本社の仕事は適宜,現地の同僚にも任せながら対応をしていきますが,言語の問題でどうしても駐在者が間に入らざるを得ません.
基本的な英作文で良いから,英語を身につけてほしいと愚痴をこぼしたくなります.
日中は現場の仕事に追われながら,定時過ぎから本社からの仕事を残業で行うということが日常になっています.
郷に入れば郷に従え
海外現地法人に(1年以上)駐在することになると,日本の労働基準法ではなく,現地の労働法が適用されます.
海外では36協定は適用されません.
若いうちは時間を気にせず仕事ができると前向きには捉えていますが,結構blackな労働環境だとは思います.
もちろん仕事の手順を工夫すれば定時に帰宅もできます.
駐在員によっては,駐在員の自分が先に帰ると周りに模範を示せないという変な使命感が不必要な残業を助長している場合があります.
濃ゆい人間関係
駐在員同士の人間関係が濃くなります.
大きな会社の現地法人ならば,50人以上日本人駐在員を抱えていることもあります.
商社の現地営業所だと,日本人はGM(統括部長)と係長の2名ということもざらにあります.
現地同僚はもちろんいるので日本人の駐在員同士ばかりで話をしているわけではないのですが,言葉の問題,職位の違いなどから自然と駐在員同士のやり取りが増えていきます.
特に英語が不自由なまま駐在してくる管理職の人は,日本語で指示が出せる若手駐在員にからんできます.
人間関係に悩んで職場を変えるとしても,現地法人では逃げ場もないので,帰任を選ぶことになります.
婚期が遅れる
20代,30代で未婚で駐在すると,一般的に結婚は数年遅れる,もしくは婚期を逃すことになります.
人によっては,駐在を機に付き合っている方と結婚を決意することもあります.
遠距離恋愛を続けるか,結婚を決断するか人生の大きな判断に迫られます.
赴任先の現地で素敵な人を見つけるという可能性もあるので悪い面ばかりではありません.
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まとめ:若手の駐在員は,苦労は買ってでも成長
若手の駐在員が経験した苦労・悩みをご紹介しました.
駐在員の苦労・悩み
- 週末も”親密な”お付き合いがある
- 本社と現地法人の板挟み
- 画面越しの家族・友だち
- 駐在員の手当が少ない
- 年の功より実力主義
- 日本からの時差攻撃
- 出張者の付き添い
- 36協定って何?
- 濃ゆい人間関係
- 婚期が遅れる
日本にいると感じない苦労・悩みはありますが,一方で日本にいたら感じていた苦労・悩みもあります.
海外駐在員になって体験する苦労はどれも新しく感じますが,同時に新しい環境で成長の機会がたくさんあります.
私自身は海外で仕事をすることで成長の機会を得て,そして将来海外移住した時の具体的な計画に繋がっているので満足はしています.
本記事が,海外駐在を目指している20代,30代の方にお役に立てれば幸いです.
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