CMCO 2.0になり,Malaysia政府は民間企業の管理職・監督職に対して条件付きの在宅勤務を義務付けました.
CMCO 2.2で在宅勤務の対象も全国に拡大する意向を政府は示しました.
何だか年内はもう会社に出社することはないという予感がします.
私もすでに同僚としばらく会っておらず,孤独感が募っています.
MCOが施行された日から数えて,本日(2020年11月12日)で240日経過しました.
MCO前の生活が前世の記憶のようになってきました.
CMCO:教育機関閉鎖,幼稚園はようやく再開
2020年11月7日,Ismail Sabri上級大臣は会見でCMCO(条件付き行動制限令)を延長することを発表しました.
その際に,CMCO対象地域の教育機関,幼稚園の閉鎖を宣言しました.
→ Malay Mail: Ismail Sabri: CMCO in all but three Peninsular states from Nov 9 to Dec 6
子どもを持つ親たちの団体(PAGE)が,政府に対して学校の再開を求める請願活動が行っています.
→ FMT: Keep schools open, parents’ group urges education ministry
私も,感染症対策の一環で,子どもたちの教育の機会を奪うべきでないと考えています.
幼稚園・保育園の再開
小さいお子さんを持つ家庭には吉報がありました.
CMCOの期間中,閉鎖されていた幼稚園,保育園を再開すると,女性・家庭・地域開発省(KPWKM)が11月12日発表.
→ Malay Mail: Nurseries, childcare centres can operate under CMCO, says minister
幼稚園・保育園の再開に際しては,該当地域の衛生局の許可書が必要になります.
経済活動の原力である,家庭が安定することで.経済復活に向けて一歩を踏み出せそうです.
待たれる学校の再開と遅れる教育
残るは学校の再開です.
確かに活発に活動をする子どもが,病原体の伝染をしてしまう可能性はあるでしょう.
あらゆる選択はriskを伴います.
政府は感染症対策に加重を取りすぎており,子どもの教育を蔑ろ(ないがしろ)にしすぎています.
ポイント
- Internet環境が不十分な地域もあり,そもそもonline教育体制も整っていません.
- 自立した学習の望まれる大学生ならともかく,小学生から高校生は学校生活から学ぶ集団生活及び対面で学ぶ意義が大きいと思います.
- ”未知の感染病”だった感染拡大初期に比べて,感染を防ぐには何をしたらいいか知見が蓄積しています.
- 感染riskを最低限に抑えるために,学校でのSOP(衛生基準)を徹底することで,感染症対策と教育の両立もできると思います.
感染症対策のために置き去りにされる教育
新型肺炎の感染は拡大していますが,死者数も急増しておらず,Malaysia国内はpanicに陥っている状況ではありません.
感染病のriskを過度に見積もることで,教育をあまりに軽視しています.
職業柄,在宅ができない職業の家庭に対して,子どもの養育をどうするか,政府の補助がまだ道筋が出てきていないことも気がかりです.
Malaysiaの交通事故死亡者
論理展開としては不適切ですが,わざと批判の論点をずらしてみます.
Malaysia国内の交通事故死亡者数をご存知でしょうか?
毎年,Malaysia国内の交通事故による死亡者は,7,000名前後です.
→ Ministry Of Transport Malaysia: Index of Accidental Road Death
Malaysia国内のCovid-19が関係しているとされる死亡者数は,302名です(2020年11月11日時点).
残り,2ヶ月弱あるものの,Covid-19関連の年間死亡者数は,交通事故の死亡者数の10分の1以下になるでしょう.
私も感染症の脅威を軽視するつもりはありません.
しかし,交通安全対策を徹底しない一方で,
感染症対策のために経済,教育を制限する政府の対策は死亡者数を減らす目的だけなら合理性がありません.
政府主導で在宅勤務拡大へ
CMCO 2.2が始まった2日目の11月10日,会見でIsmail Sabri上級大臣は,在宅勤務の対象地域を全国に広げることを宣言しました.
→ FMT: Work-from-home policy for public sector extended to all states
在宅勤務指令:子どものいる家庭への配慮
全国的な学校,幼稚園の封鎖に伴い,親が家庭で子どもの世話をみられるように配慮した政府の判断です.
家庭状況を考慮している政府判断には一定の論理がありますが,やはり子どもには教育の機会を与えるべきでしょう.
在宅勤務対象は企業に一任
前回CMCO 2.0の在宅勤務令は産業界を対象にしていましたが,今回CMCO 2.2では対象を全民間企業にしています.
前回は管理職・監督職のみを対象にしていましたが,今回は各企業ごとに,部門長が在宅勤務の対象者を決めるように権限を委ねる政府指示になっています
ただし,産業界に関しては,管轄のMITI(Ministry of International Trade and Industry)が在宅勤務の規則を決定するそうです.
在宅勤務の便利品
私の在宅勤務のお供を紹介します.それは,「Apple AirPods」です.
両手が空きますので,online会議に参加中,話しながら手元で作業をすることができて便利です.
外出の際も,マスクとも絡まらないのが,気に入っています.
Work From Hotelで気分転換
在宅勤務(Work From Home)に疲れた人向けに,hotelの部屋で仕事をするservice ”Work From Hotel”が提供されています.
https://www.soyacincau.com/2020/10/27/cmco-malaysia-hotels-work-from-hotel-wfh-rm19/
普段は高額なhotelでも,最低料金RM190(日本円 4,800円)から1日の職場環境を提供しています.
普段,泊まらない高級hotelの一室で仕事をするというのは良い息抜きになりそうです.
私も最近2週間ほど,ほとんど自宅にこもって仕事をしています.
環境を変えたいなと考えていたので一度利用して見たいです.
ただし,"Work From Hotel"を利用した人が,Internet環境が遅いと苦情をしていましたので,事前に利用するhotelのInternet速度に関する評判は注意が必要です.
2020年忘年会はonline開催
11月に入ると,例年ならば,私自身が忘年会幹事を務めるか,他の人から忘年会のお誘いの声がかかり始める頃です.
今年は,全然声がかかりません!
1 table 4人まで
Malaysia国内では外食は許されていますが,1 table 4人までの人数制限が設けられています.
忘年会を強行しようと思えば,複数のtableに4人ずつ座り,table間の距離を離すことでSOPを守りながら会を開催することができます.
直近で過去最高数の新規PCR検査陽性者数を記録しており,心情的には大人数での会食は避けたいという人が少なくないでしょう.
万が一,陽性者になった場合の社会的隔離も大きな心理的障壁になっています.例え自分が無症状だとしても,”濃厚接触者”を含めて多くの人に迷惑がかかります.
2020年の忘年会はonlineへ
今年の忘年会は,高い確率で「取りやめ」か「online」になるでしょう.「従来型」での開催は難しいです.
私もonline飲み会は参加しましたが,良いところ,悪いところがあります.
良いところ
- Malaysia(海外)にいても,日本の友人と飲み会を開ける(空間制限からの解放)
- 小さいお子さんのいる人でも,家族と一緒に参加できる.可愛い子供の姿を見れて,こちらも和みます.(家庭状況からの解放)
- 飲み会が終わったら,既に自宅にいる.(移動からの解放)
悪いところ
- 一度に一人しか話せない(現代の通信技術を持ってして,なぜ同時に話せないのか不思議でなりません.5Gになったら改善する?)
- 司会役がいないと進行が難しい(従来の飲み会が参加者が並列なのに対して,online飲み会は直列)
- 消音にしていると反応がなく寂しい(消音にしないと音が混線するので,仕方なく消音にしないといけない)
- 発言はみんなに聞こえるので,従来型の隣の人とこそこそ話すということができない(会話の輪が広がらない,会話はあくまで糸)
Online飲み会は新しいcommunicationの方式です.
一人が話している間,他の人は聞き役にならなくてはなりません.話終わっても,反応が見えずらく,誰も話さない沈黙が何度も訪れます.
左中間に落ちた球をお見合いしてしまう野球選手のような気分です.
Online飲み会で地理的距離を超えて
Online飲み会が普及したことで,日本にいる友だち,同僚と気軽に画面越しに飲み会を開くことができるようになりました.
Malaysiaと日本の時差は1時間なので,日本の友人と飲み会をしてもお互い苦にならないところはありがたいです.
GacktさんがYouTubeで語られていたように,時差を基軸に移住先を考える意味は仕事だけでなく,online上でのprivateでも活かせます.
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【マレーシアに移住した芸能人】GACKT(ガクト)さんがマレーシアを語る | 移住地を選ぶ10の価値基準
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まとめ
感染拡大の初期,強制的な活動制限で押さえ込みに成功したMalaysia.
初期の成功があったために,6月以降Covid-19が拡大する前の生活方式に戻っていました.Onlineはあくまで補助的にしか使われていませんでした.
10月以降の感染急拡大で,Malaysia政府は早急に制限を強めました.
学校・幼稚園は閉鎖されて,在宅勤務が強く”推奨”されるようになりました.一気にonlineでの生活に軸足を移行しようとしています.
一方の日本は非常事態宣言を発令しましたが,日本は強い制限をしませんでした.
しかし,早い段階から在宅勤務に切り替わっていて,日本社会は大きく変化しました.
Malaysiaも,日本のようにonlineを基軸にした社会に変わる転換点に差し掛かっているように感じます.
Hotelで仕事をして息抜きをしてみたり,Online飲み会で上手に人と繋がり,私も新しい生活様式を楽しみながら慣れていきたいです.
一方で,子どもたちの教育のために学校が早く再開することを祈っています.